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「まるで中世」選手村の設備不足にロシア選手団が幻滅。「段ボールベッドは安倍利権」との海外報道も。“おもてなし”できぬ組織委に批判殺到

開幕が目前に迫った東京五輪だが、ロシア選手団から「まるで中世の日本」と選手村宿泊棟の設備不足を訴える声があがり、大きな反響を呼んでいる。

報道によると、ロシア選手団の選手村の自室にはテレビも冷蔵庫もなく、さらにトイレの数も不足しているとのこと。この訴えを受けて、大会組織委員会の橋本聖子会長は「冷蔵庫やテレビの件は早急に対応できるようにしていきたい。まずはロシアチームに確認させてください。できる限りの対応をします」と語ったという。

選手たちを取り巻くこのような環境に対して、ネット上では「おもてなしはどこに?」「五輪貴族は贅沢三昧なのに……」などと、批判の声が多くあがっている状況だ。

ロシア側の「謎クレーム」にツッコミの声も

今回報じられたロシア選手団からの声だが、別の記事によるとどうやら選手からではなく、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のチーム幹部から出たクレームの模様。冷蔵庫やテレビの件以外にも「バスルームが狭い」「インターネットの接続環境が悪い」との不満があるようで、「アスリートが快適に過ごせる場所じゃない」と訴えているという。

ただ、その中身を詳しく読んでみると「インターネットにつなぐコードの接続環境が悪く、『どうやってつないだらよいか、これは謎だ』とさえ語った」との記述が。これに対して、ネット上では「いまどき有線接続なの?」「ちょっと何言ってるかわかんない」と、すかさずツッコミが入る事態となっている。

さらに先述した記事には、「ロシア側は有料で設置できるテレビや冷蔵庫などを申し込んでいなかった」との一文が。記事の最後の最後にしれっと書かれてある情報だが、もしこれが本当なら、事前申し込みを怠ったロシア側の不手際ではという見方もでき、実際ネット上でもそのような意見は多い。とはいえ、今のご時世でテレビが有料っていうのも、昭和の旅館じゃないんだから……といった声もあがるなど、様々な声があがる。

今回どうして、選手村の部屋にテレビや冷蔵庫は標準設置されなかったのか。テレビのほうはその理由が不明だが、冷蔵庫に関しては今年1月に公開された選手村宿泊棟の概要を紹介した記事によると、食中毒を防ぐ目的や衛生面の問題で、部屋内にキッチンと冷蔵庫は設けないことにしたとある。

しかし、ただでさえ猛暑の中で開催されることが分かっており、さらに感染拡大防止ということで、会期中も選手の必要以上の行動を制限してカンヅメ状態にするというのであれば、テレビはともかくとして、冷たい飲み物などを入れておける冷蔵庫は、有料オプションとかではなく絶対に必要なものだとは、誰もが思い至るところではないだろうか。事前申し込みをしなかった点も含め、ロシア側の言い分にも不明瞭な部分はあるものの、「バスタブなどが外国人には狭い」という根本的な問題も含め、組織委をはじめとした日本側の至らなさが表面化した格好、と言っても良さそうである。

段ボールベッドには「アンチセックスベッド」との異名が

選手村の部屋の設備ということで言えば、以前から何かと取沙汰されている「段ボールベッド」も、ここに来て再び脚光を浴びているという。

なんでも、その耐久性を疑問視するアメリカの陸上選手が、ツイッターで「選手同士が親密になるのを避けることを目的にしている」と投稿したほか、ニューヨーク・ポストやデーリー・メールといった海外メディアでは、1人分の体重しか支えられない強度ということで「アンチセックスベッド」との異名も付けられているようなのだ。

さらに韓国の朝鮮日報は、日本が段ボールベッドにこだわる理由は、安倍前首相の兄が段ボール製品の販売や原材料販売を行う三菱商事パッケージングの社長だから、つまり段ボールベッドは安倍利権だと報じている。このように、ちょっと不自然な事象やごり押しなどがあると、裏にはなんらかの利権が絡んでいるというパターン、今回の東京五輪に関しては山ほどありすぎて、さすがにもう飽き飽きといったところである。

いっぽうで、取沙汰されている段ボールベッドの強度に関しては、アイルランド代表の男子体操選手であるリース・マクレナガンさんが、実際にベッドの上で飛び跳ねてみせる動画を、自身のツイッターに投稿。

彼は「激しく動くと壊れてしまうというのは嘘だ。フェイクニュースだ」と、耐久性を疑問視する声を打ち消してくれ、日本側としては本当に有難い限りといったところ。ただ、ベッドの上でジャンプをすると、天井に頭をぶつけそうになる“ウサギ小屋”ぶりに、改めて「部屋が狭くて申し訳ない」といった気分にさせられてしまう。

コロナへの対策で外出もままならず狭い部屋でカンヅメ、しかも場合によってはテレビも冷蔵庫もない選手村の宿舎。せめてセックスぐらいは頑丈な段ボールベッドで存分に……と、ホスト国の人間としてはせめて願うばかり。そして、こういった形で自国民に情けない思いをさせる組織委をはじめとした五輪運営側に対しては、今後さらなる批判の声が集まるのは必至だろう。

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