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「安すぎる」地銀株は買い時か?納得の不人気理由、あえて買う人に教えたい投資戦略3つ=栫井駿介

いま地方銀行の株価が指標面で激安になっています。果たしてこれらの割安銘柄は買い時なのでしょうか?割安で放置されている理由と、もし買うならどんな戦略を取るべきかについて解説します。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

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プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

激安!地方銀行

これは地方銀行の投資指標をPBRが低い順に並べたものです。

地銀1-718x376

この通り、栃木銀行0.11倍、筑波銀行0.12倍、山梨銀行、愛知銀行、千葉興業銀行、大分銀行、秋田銀行と、地方の銀行が並んでいます。

PBRが0.2倍未満のものを並べましたが、それだけでもこれだけたくさんあります。

それがどのような分布かというものがこちらです。

地銀2-718x425

地銀というと全国で100行ぐらいありますが、例えばPBRが0.3倍未満、そしてPERが10倍以下というかなり割安と見える指標のところに半分以上の銘柄がなっているという状況です。

単純に数値だけを見たら信じられないほど割安です。

PBRとPERをかけた指標にミックス係数というものがあるのですが、これが一般的に22.55を下回ると割安と言われます。

これをかなり厳しくしたとしてもその半分の11.25ぐらいが割安かどうかの指標といわれるのですが、先ほどの表を見ると、例えば栃木銀行は9.3倍のPER、0.11倍のPBRで、かけるとそのミックス係数はなんと0.9くらいということとなり、11ぐらいというのが割安の一つの指標となると言いましたが、それに対して1を切るというとてつもなく割安な数字となっています。

では、その株価推移はどうなっているでしょうか。

出典:UBS

出典:UBS

地方銀行のインデックスのようなものは存在しないので、それに該当するような投資信託があったので調べてみました。

UBS地方銀行株ファンドというものです。

これを見ると18年の頭には基準価格がおよそ10,000円あったものが、青のラインを見れば分かるように、直近では5,000円というところで、半分近くに下がってしまっているわけです。

そして驚くべきことがさらにありまして、このファンドなんとすでに2021年6月21日に「償還」、すなわちこのファンド自体が終わりになってしまったのです。

それほど地方銀行は人気がないということが言えます。

Next: 地方銀行銘柄が不人気な3つの理由

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