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日経平均497円高の2万7,781円。一時的だったアマゾン・ショック、次は何が来る?=久保田博幸

2日の日経平均株価は大幅反発、前週末比497円高の2万7,781円で取引を終えた。先週末にはアマゾンの売上高見通しが予想を下回ったことが売り材料となったが、このアマゾン・ショックは一時的と思われる。しかし今後も、株式市場は大手ハイテク企業の動向次第という側面はあろう。(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)

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アマゾン・ショックは一時的か

米アマゾン・ドット・コムが29日発表した2021年4~6月期決算は売上高が前年同期比27%増の1,130億8,000万ドル、最終利益が48%増の77億7,800万ドルとなった。

新型コロナウイルス禍からの経済の正常化に伴い7~9月期に主力のネット通販事業の成長が減速する見通しを示したことで、同日の米国市場の時間外取引でアマゾン株は一時7%超安くなった。
※参考:新型コロナ: Amazon4~6月、売上高27%増 経済正常化で成長減速も – 日本経済新聞(2021年7月30日配信)

売上高見通しが予想を下回ったアマゾンは、引け後の時間外取引で大きく下落したことで、これを受けて30日の東京株式市場は売りが先行した。

東京時間で米株価指数先物が下落したことに加え、香港、上海両市場が反落したことも嫌気され。後場に入り日経平均は一時500円を超す下げとなった。この日の日経平均の引けは498円安となった。

そして、30日の米国株式市場では、29日の引け後四半期決算を発表したアマゾンが急落したことで、主力ハイテク株に売りが波及した。月末のポジション調整売りなども加わり、ダウ平均は反落し149ドル安、ナスダックも105ポイントの下落となった。

しかし、週明け8月2日の東京株式市場では買い戻しが先行。7月30日のナイトセッションで大きく売られた反動もあってすでに買い戻しの動きが出ていた。30日の寄り付き後も日経平均は上げ幅を拡大させてきた(※編注:きょう8月2日の日経平均株価は前週末比+497円高の2万7,781円で終えています)。東京時間の米株価指数先物も買い戻されていた。

相場は大手ハイテク企業の動向次第

GAFAとも呼ばれる大手ハイテク企業がコロナ禍にあっての巣ごもり需要も手伝い、米国株式市場の牽引役となっている。その一角のアマゾンの売上高見通しに敏感に反応し、アマゾン・ショックが起きた格好となった。

経済の正常化に伴い、大手ハイテク企業の収益はある程度、落ち込みは避けられないとはみられる。しかし、このあたりは現状、まだ不透明感も強い。今回の下げにはそれほど影響はなかったかもしれないが、中国による国内の大手IT企業への締め付けなども不安材料ではある。

大手ハイテク企業にとっては半導体不足も不安材料ながら、いずれもハイテク企業が隆盛を誇っているある意味、証(あかし)というべきものでもある。

アマゾンに対しては高い収益を求め、中国はハイテク企業の影響力を削ごうとしている。半導体不足は供給面での原因もあったが、それ以上に自動車などを含めた急激な需要拡大が影響している。

今回のアマゾン・ショックは一時的と思われるが、今後の株式市場の動向を見る上でも、特に株式市場にとっては、このような大手ハイテク企業の動向次第という側面はあろう。

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image by:max.ku / Shutterstock.com

牛さん熊さんの本日の債券』2021年8月2日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出しはMONEY VOICE編集部による

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