辛坊治郎氏が太平洋上で骨折!航海中の緊急事態にSOS出せず大ピンチ

辛坊さん①
 

70日間に渡る太平洋ヨット単独横断を成功させ、再びアメリカ・サンディエゴから日本へと帆に風をはらませ走り続けている、ジャーナリストの辛坊治郎さん。そんな辛坊さんの身に、とんでもないトラブルが発生したようです。今回のメルマガ『辛坊治郎メールマガジン』ではその一部始終を辛坊さん自身が報告。さらに読者からの質問にも洋上から答えています。

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時々 航海日誌

7月25日日曜8時

小笠原沖に低気圧が発達中だということで、そこから数千キロ離れているにもかかわらず、そこに吹き込む風のせいで風向きが変わりました。貿易風は普通北東から吹くんですが、今南方向から吹いています。ですので、進路が少し北向きに上がっています。

今も暑いです。シャワー浴びたくなるんですが、水をそんなに使えません。そこで、自分でスケジュールを決めまして、経度で5度ずつ進む度に、シャンプーと、体を拭く。10度ごとにシャンプーとリンス、そしてシャワーを浴びることにしました。また、5度ごとには紙パンツ、10度の場合はちゃんとした布のパンツを履く、そんなルーティーンを組みました。これで、残りの距離から考えて、水も足りそうです。

ずっとランニング状態で走っているんですが、マストを支えるシュラウドというワイヤーにテンションをかけるマストから張り出したスプレッダーというものが両側に翼のように張り出しているんですが、ランニングで走るとどうしてもセールがそこに当たります。昨日2か所セールが擦り切れているところを発見しました。次セールを下ろしたタイミングで補修が必要です。かなり慎重に走っているつもりなんですが、どうしてもシュラウドなどに擦れてセールが破れます。

■読者からの質問1

夜、夢は見ますか?

途切れ途切れに、何回も寝るので、夢はたくさん見ます。ただ、そんなに鮮明に覚えているものはないですね。普通悪夢とかみると思うんですが、現実世界の方が夢より厳しいです。

7月27日火曜8時

日付変更線を越えた途端に風がなくなりました。その上、昨日一昨日ぐらいから、水平線上に雷が落ちて、一晩中ピカピカ光って、直撃すれば、一巻の終わりと思うと日付変更線を越えたお祝いをしようと思っていたんですが、そんな気持ちにはなれないでいます。

風が順調ならば、東経150度ぐらいまで貿易風に乗っていこうと思っていたんですが、昨日あたりの気象連絡では、そろそろ貿易風が一旦途切れるという話です。貿易風は途切れないはずが、今年はどうも太平洋高気圧の張り出しが弱く、その影響で高気圧からの吹き出しも弱いようです。日付変更線まで来たものの、ここからどうやって日本まで帰ろうか、風を探すのが大変です。結構今、絶望的な気持ちになっています。

今日はまだ2ノットから3ノットぐらい進んでいるんですが、明日以降もっと風がなくなるとなると本当に動かなくなります。それがいつまで続くかわからない状態です。しばらく様子見ですね。

ただ、船も貿易風帯を2週間走り続けて、いくつか傷んでいるところもあるので、1日ぐらいは穏やかになってくれると色々修理ができて良いんですが、それが2日3日となると嫌になりますね。

水に関してですが、燃料がある限りは、除湿機が本当に有用です。除湿機で1時間除湿すると250ml、2時間除湿すると500mlの真水が得られます。この真水はシャンプーに使えるので、水を作るのに、除湿機は意外と役に立つ事がわかりました。ただし、除湿機は1時間あたり300ワット消費するので、そんなに使っているとバッテリーが上がってしまいます。あとは、燃料との見合いですね。

■読者からの質問2

何か持って来た方がよかったものないですか?

乾電池で動く小さな扇風機です。よく遊園地などで売っているものあるじゃないですか。日本にいるとあんなもの役に立つのかなと思っていたんですが、実際ここまで船内が暑いと、あの小さな扇風機でも暑さが全く違うと思うます。本当に持って来ておけばよかったと思っています。

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