幼児期の接し方がカギ。「誹謗中傷を繰り返す大人」にしない教育とは

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メダリストたちへの匿名での誹謗中傷が話題となっています。人を批判する、攻撃したくなるという心理はどこからくるのでしょうか。また、そのような人間に育たないためにはどう接していけばよいのでしょうか。その解を現役小学校教諭で無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者である松尾英明さんが論じています。

人のせいにしない子どもを育てる

オリンピックが、何かと「炎上中」である。選手たちの汗と涙の努力の結晶が燃え尽き蒸発して吹き飛ぶほどである。

そんな中、選手を本当に思って責任を感じる監督の言動などは、一際目を引く。「すべては私の責任です」と、監督と選手の両方が互いに思っているチームは強い。

人のせいにしたくなる。
人を批判したくなる。
人を攻撃したくなる。

この心理はどこから来るのか。

先の素晴らしい監督と選手の逆で、「責任を取りたくない」である。主体性の欠如であり、自信のなさからである。自分ではない他者の言動を価値基準に置くからこそ生まれる。

これは、日本の教育だけの問題ではないようである。世界各国で炎上事件や誹謗中傷が吹き荒れているのを見ると、世界的な傾向である。SNSで世界がつながったことによる弊害ともいえる。

世界にどうこうは直接アクセスできないので、まず自国の教育からと考える。

小学校時代に既にこの他責傾向は始まっている。

「だって、〇○ちゃんがこう言った(やった)から」
「みんながやってるから」
「先生が○○って言ってたから(ダメなんだよ~)」
「先生に言うよ?」
「先生、○○してもいいですか?××はダメですか?」

教室の、ありふれた日常の風景である。ここにこそ病理の根本がある。

何を基準に行動を決めているのか。他者基準は、全て他責と批判ににつながる。

自分で自分の行動を決めるのである。
指導者は、そのように導くのが仕事である。

例えば「どうしたらいいの?」ときかれた(判断を放り投げられた)とする。

実はこの切り返しは、それほど難しくはない。

「どうすればいいと思う?」と返す。

それだけである。

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