ベラルーシ選手、亡命希望 「投獄される」と帰国拒否―IOCに支援訴え

2021.08.02
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by 時事通信


東京・羽田空港で警察官と話すベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(左)=1日(ロイター時事)

東京・羽田空港で警察官と話すベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(左)=1日(ロイター時事)

  • 【図解】ベラルーシ
  • ベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手=2019年6月、ミンスク(EPA時事)

 東京五輪陸上の女子200メートル予選に2日に出場を予定していた中、本国から帰国を命じられて拒否したベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)は日本時間1日夜、動画の声明で「国際オリンピック委員会(IOC)に支援を求める」と呼び掛けた。第三国への亡命を希望。母国で紹介されたインタビューでは「ベラルーシで投獄されるかもしれない」と訴えている。
 ツィマノウスカヤ選手は1日、別の選手のドーピング検査をめぐるコーチの不手際をインスタグラムで批判したことから代表を外され、選手村の荷物をまとめて帰国するよう強制されたが、羽田空港で同日夜の便への搭乗を拒否。警察などに保護を求めた。帰国せず、2日にもオーストリアなど欧州に亡命申請する意向と伝えられる。
 人権団体のソーシャルメディアに掲載された動画の声明の中では「私は圧力を受けた」と主張。「同意なく(日本を)出国させられそうになった。だから、IOCがこの問題に介入することを求める」と述べた。
 一方、母国のスポーツメディアのインタビューでは、コーチから「(陸上競技)連盟やスポーツ省のレベルではなく、さらに上層部の問題になっている」と告げられたと証言。面談したカウンセラーからも脅されたと訴えた。「代表から外されるのは怖くないが、自分の身を案じている。(母国は)もはや安全ではない」と強調した。
 本人はロイター通信に「(5日の)女子1600メートルリレー予選に出場予定の複数の選手が必要なドーピング検査を受けていなかったことで出場資格を得られず、代わりに自分がリレーのメンバーに不本意に入れられた」と説明。こうした不手際を先にインスタグラムで公表し、本国で怒りを買ったとみられる。(2021/08/02-09:20)

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