血迷った日本政府。政治家の“人災”で感染爆発も「命の選別」表明の何サマ

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政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言を6都府県に拡大し、まん延防止等重点措置を5道府県に適用しました。しかし、首都東京はオリンピック真っ盛り。メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さんが前回、「東京五輪と緊急事態のコンボが招く「宣言無力化」と感染大爆発」で、警鐘を鳴らしたそのままに、感染も人流も抑制できていません。そんな折に菅首相から「重症者以外は自宅療養を基本とする」という驚くべき発言が飛び出しました。山崎さんは、国の無策が招いた人災で最大級の災害時のようなトリアージを実施しようとしていると呆れ、2回のワクチン接種を終えたであろう政治家の先生方に、痛烈な嫌味を浴びせています。

方針転換のこと

テレビでニュースを見る。すると、まずコロナの惨状が伝えられ、次いでオリンピックの結果が伝えられる。冷水を浴びせられたかと思ったら息つく間もなくの熱湯風呂である。たった5分のニュースでも、どうにも「物狂ほし」といった感じで落ち着いて見ることができない。トピックスを変える時のニュースキャスターの表情や声の調子の変化すら若干微妙な感じがするのは果たして自分だけのことだろうか。

しかしよくよく考えてみると、この種の混乱も当然と言えば当然で、緊急事態宣言発出中にオリンピックゲームをやっている訳である。たとえるなら大火事の最中にお祭りをしているようなものである。やっていること自体が無茶なのである。

感染爆発に伴う緊急事態宣言とオリンピックの開催。本来は決して共起してはならないことであった。それを無理矢理やってしまったという既成事実は、前回「緊急事態宣言のこと」でも述べた通り、緊急事態宣言そのものを結果として無力化・無意味化させてしまうことになった。
参考● 東京五輪と緊急事態のコンボが招く「宣言無力化」と感染大爆発

皮肉なことだが、今の感染者数激増の状況は「緊急事態宣言の発出なし」という条件で試算されたワーストシナリオの数値とほぼ一致しており、飽くまで結果論とは言え「緊急事態宣言無意味化」の傍証のようになってしまった。

このような状況下、政府はコロナ治療に関する方針を大転換させた。もちろん悪い方に、である。その内容は「重症者以外は自宅療養を基本とする」というものである。正気か!重症者と言えば瀕死である。つまり死にかけでなければ入院できない、ということなのか!

新型コロナウィルス感染症の場合、その重症度に従って患者を分類すると、軽い方から、無症状・軽症・中等症1・中等症2・重症というふうになる(※中等症はローマ数字より変換、以下同じ)。言うまでもないことを言わせるのが我が国の政府だから当たり前のことでも言う他ないが、重症者(即ち、瀕死の患者)を出さないためには医療現場で何とか中等症2に留めるよう最大限の努力をすることが重要なのである。そして中等症2を手厚く治療・看護するためには中等症1から2へ症状が悪化することを未然に防ぎ、軽症者は何とか軽症のまま回復・退院してもらうのが一番なのである。

にもかかわらず中等症2以下の存在を無視して重症者のみを入院治療対象者とするというやり方はまるで災害発生時のトリアージではないか。それも余程の大災害時における最低限度レベルのそれである。「今はまさしく災害時である」もしも政府がこう言うなら、はっきりさせておこう。ここまで、つまり災害級にまでしたのは他ならぬ政府ではないか。

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