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海外から「嘘つき五輪」の烙印、祭りのあとは菅政権に集中砲火か。猛暑とコロナ感染拡大に怒りの声=斎藤満

日本国内はメダルラッシュに沸いていますが、海外からは「歴代ワースト」のオリンピックとの評価が出ています。温暖な気候、安心安全と語った安倍元首相・菅首相の嘘で塗り固められた東京五輪は、現政権を象徴するオリンピックとなっています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年8月6日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

主催側は大成功、海外はワースト

賛否が分かれたコロナ禍での東京五輪開催も、8日に閉会式を迎え、何とか終了にこぎ着けようとしています。主催者側はなんだかんだ言っても、大会は成功で、やはり実施してよかった、と見ているようです。IOCのバッハ会長も五輪のTV視聴率は高く、国民が受け入れた証拠と言います。批判的だったメディアも日本のメダル・ラッシュを喝采していました。

実際、日本が獲得した金メダルは、柔道を中心に過去最高を記録、新しいスター選手の登場もあって、「号外」が何回も配られました。菅総理は連日、メダリストにお祝いのツイッターを書いていると言われ、ワクチン接種とともに政権の命綱と考えていた五輪は、政府の期待以上の成果が上がったと見えたようです。

しかし、その一方で、海外メディアからは「ワースト・エヴァー・オリンピック」と評され、スポンサーの米NBCでの五輪視聴率は前回リオの4割減と落ち込んだと言います。また五輪運営も含めた日本政府の問題も多く指摘され、お祭り気分が覚めた後は、政府にはマイナス・ポイントが多くのしかかることになります。

海外から嘘つき五輪の批判

最初に海外メディアから指摘されたのが、五輪開催にあたっての気象条件で、日本政府は「五輪開催にあたっては温暖な理想的な環境」とうそをついて招致したと批判しました。少なくとも日本人の多くは、夏の日本が高温多湿で、熱中症への警報が連日出る厳しい環境であることは百も承知です。それを「五輪開催には理想的な気候」とは、事情を知らない海外の人々をだました、と言われても仕方ありません。

そもそも、福島原発事故についても「アンダー・コントロール」とうそをついた安倍政権にとっては、日本の猛暑が「理想的な気候」ということに、何ら抵抗はなかったのかもしれませんが、この猛暑下での競技開催については、有力テニス選手の競技時間変更の求めを含め、多くの苦情がありました。陸上競技でも途中棄権や、ゴール後に倒れ込む選手が続出しました。

実際、ロシアのアーチェリーの選手の様に、熱中症で意識を失い、担架で運ばれるケースもありました。スポンサーの米国メディアに都合の良い「花形スポーツの隙間」にあたる時期が選ばれたようで選手には良い迷惑です。米国で人気の競技の放映時間が、米国のゴールデン・アワーに合わせるべく、日本の午前中に決勝が組まれるなど、選手の健康、安全よりもスポンザーの利益優先をとった日本政府への批判が聞かれます。

Next: コロナ禍で各国のコンディションに差。「不公平」との批判が集まる

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