「ブラタモ」も注目。いまは穴場、絶景の夕日が待つ福井「三国突堤」

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2019/08/23

筆者はいまから十数年前に、移住した富山で知り合ったばかりの人と、福井県北部の東尋坊を初めて旅行しました。TRiP EDiTORの過去記事「悪僧の伝説が残る、福井県「東尋坊」で高さ25mの絶壁を散歩」でも紹介した、福井を代表する景勝地です。

その後、東尋坊の近くを道に任せてくるまで走っていると、こぢんまりとした美しいビーチに出くわします。弧を描く海岸線に向かって右手を向くとヨットハーバーがあり、その先に小高い丘が海に突き出していました。

image by:福井県観光連盟

左手を見ると、長大な堤防が海に突き出しています。ちょうど夕日がとても美しい時間で、誘われるように歩いてみました。その絶景の堤防が、国の重要有形文化財に指定される「三国港突堤」だと、後で知ることになります。

それ以来、近くを通るときは、その美しい景色に心惹かれ、決まって立ち寄るスポットになったのです。そこで今回は絶景の夕暮れが楽しめる、三国港突堤の魅力を紹介します。

※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。

『ブラタモリ』で取り上げられるものの、ブレイクはまだ?

image by:福井県観光連盟

東尋坊や三国港突堤がある坂井市は、海岸線が海に面して真西を向いています。つまり、夕日を眺めるには絶好の場所。先ほど紹介したビーチは、三国サンセットビーチと名前が付けられるほどです。

海岸線に沿って南に行けば、越前岬など夕日の名所で知られる絶景スポットも連続します。その日が沈む日本海に向けて、太陽を追いかけるように曲線を描いて突き出す堤防が「三国港突堤」です。

堤防は歩けるようになっているため、夕日を眺める場所としては最適なのです。

三国港突堤については、福井県立恐竜博物館とともに、人気のテレビ番組『ブラタモリ』(NHK総合)で2018年12月に紹介がありました。そのせいか、2019年5月の連休では、恐竜博物館に最高記録となる人の出があったそうです。

実際に2019年のゴールデンウィークの10連休に子どもを連れて博物館に出かけてみたところ、駐車場に入るだけで「5時間かかった」とうなだれている男性を見かけるほど。ブラタモリ影響力は絶大ですね。


しかし三国港突堤については、いまのところ「堤防の上が渋谷のスクランブル交差点くらい人でいっぱいになった」という話を、三国の人から聞きません。

まだまだ穴場の立ち寄りスポットの感があります。三国港での水揚げが有名なズワイガニ(ブランド名は越前ガニ)はもちろん、東尋坊、近くのあわら温泉を訪れたときは、ぜひとも眺めに出かけたいところです。

明治新政府がオランダから招き寄せた河川技術者が造った突堤

image by:福井県観光連盟

三国港突堤は別名で、「エッセル堤」とも呼ばれています。エッセルと聞くと、堤防を作る技法か何かをイメージするかもしれません。

かしエッセルとは、堤防づくりによって国土を広げてきたヨーロッパの一流国、オランダから招いた1等工師の名前です。

手元にある山本晃一著『河川堤防の技術史』(技報堂出版)を見ると、明治新政府によって明治の初めごろにオランダから河川技術者が次々と招かれているとわかります。ドールンに始まり、エッセル、ムルデル、リンドウ、チッセン、デレーケなどが来日しているのです。

その理由としては、幕末から積極的に人材を留学させ始めた幕府も、河川技術を学ばせる人材は西欧に送り込んでいなかったからなのだとか。

明治維新が成立しても、河川について西欧流の知識と技術を持った人材が国内に存在しませんでした。そこで明治新政府は、オランダから次々と河川技術者そのものを輸入し始めたのです。

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