大阪の謎。なぜ個人商店が独自のヒョウ柄ブランドを出せるのか?

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大阪のおばちゃんといえば「ヒョウ柄」の服というイメージは昔から変わりません。そして、そんなおばちゃんたちのファッションを支える「オリジナルヒョウ柄商品」を生み出しているお店があります。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、小さな個人商店でオリジナルブランドを販売できるその秘密を解き明かしています。

個人商店が生み出す、「ヒョウ柄ブランド」の凄さ

“大阪のおばちゃん”と聞くと、どんな人を思い浮かべるでしょうか。明るい。元気。面白い。うるさい。値切る。アメちゃん。そして、ヒョウ柄。ヒョウ柄の服を着て、大声でしゃべり、大声で笑う。

そんなイメージを持つ人が多いはずです。もちろん、すべてのおばちゃんがそうではありませんが、かなりの確率で出会うことは間違いありません。

そんなおばちゃんたちを象徴するヒョウ柄ファッションを専門に扱う婦人服店があります。大阪、通天閣近くの商店街「新世界市場」の中。時代の流れでシャッター通りとなってしまった、暗い商店街にありながら、ひときわ異彩を放つお店。それが、婦人服店「なにわ小町」。

店頭の雰囲気は、昔からある衣料品店なのですが、色彩がまったく違うのです。すべての商品が、ヒョウ柄をはじめとするアニマル柄なのです。ヒョウ、トラ、ライオン、チーター、ジャガー……。徹底したその品揃えは、お見事と言うしかありません。ここまで特化したお店がやっていけるのか、という疑問が生まれるほどです。

お店を切り盛りするのは、全身ヒョウ柄で包まれた、大阪のおばちゃんそのもの。ファッションデザイナーの息子さんとともに、ヒョウ柄を提案し続けています。息子さんは、アイドルの舞台衣装や映画の衣装をデザインしたり、自身のブランドも持つ実力者。お店の商品のほとんどが、この2人によるオリジナルなのです。

では、なぜ小さな個人商店がオリジナル商品を販売することができるのでしょうか。息子さんの力もありますが、それだけ商品が売れるということでもあります。オリジナルの制作に費用が掛かっても、それを回収することができるのです。

寂れた商店街の個人商店の商品が売れている秘密は、もちろん、ヒョウ柄にあります。大阪でヒョウ柄と言えば、定番商品。当然、おばちゃんたちには売れます。しかし、大阪の人だけがお客さまでは、限界があります。

ド派手で下品だと思う人もいるでしょうが、意外とファンは多くいるものです。そんな人たちが、全国から買いに来るのです。北海道から沖縄まで、ヒョウ柄を求めて集まって来ます。

このお店には、トレーナー、Tシャツ、パンツをはじめ、ポーチやリュック、浴衣、水着、ふんどしにいたるまで、300~400種類のアニマル柄が揃っています。ヒョウ柄ファッションの聖地とも呼ばれています。

店主であるおばちゃんに会いに来るお客さまもいます。ヒョウ柄を愛する者として、良きアドバイザーとなっているのです。全国からやって来たお客さまが帰る時、店主はこう挨拶します。

「ほな、元気で。またね!」

奇抜とも言えるヒョウ柄を介して、人と人との温かい繋がりが生まれているようです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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