利用者保護の強化検討 暗号資産、普及で研究会―金融庁

2021.08.24
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by 時事通信


【図解】主なデジタル通貨の特徴

【図解】主なデジタル通貨の特徴

 (仮想通貨)や中央銀行のデジタル通貨など金融の技術革新が加速する中、金融庁は利用者を保護するため、規制の在り方について検討を始めた。7月には有識者研究会を新設。システムの安定性を確保しつつ、金融サービスの発展を阻害しない方法を来夏をめどにまとめる方向だ。
 をめぐっては、巨額の流出事案が発生したことを受け、金融庁は2019年の法改正で利用者の資産をより安全な方法で管理することを業者に義務付けるなど規制を強化した。ただ、価格の不安定さに加え、マネーロンダリング(資金洗浄)への対応が不十分とされ、一段の対策が急務となっている。
 実際、米フェイスブックが19年に「リブラ(現ディエム)」発行構想を発表すると、20カ国・地域(G20)の財務相らは規制面で深刻なリスクがあるとけん制。米国では、デジタル金融の拡大に対応可能な規制をめぐり議論が急ピッチで進む。
 中銀デジタル通貨については、日銀は現時点で発行計画はないとしつつも、将来の環境変化に対応するため今春から実証実験を開始した。ただ、海外ではすでに中国がデジタル人民元の大規模実証実験を行うなど取り組みが加速しており、日銀や政府は国際金融市場への影響を注視している。
 こうした金融のデジタル化を背景に、金融庁は7月に「デジタル・分散型金融企画室」を新設。研究会も立ち上げ、対応を本格化させた。大和総研の長内智主任研究員は「デジタル技術の進歩は早い。規制では全体の枠組みをつくり、個別案件はその都度判断できる柔軟性が必要だ」と指摘している。(2021/08/24-07:21)

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