fbpx
マネーボイス
You are at:HOME»ニュース»たばこの煙がコロナ抑制？10月の値上げをめぐる愛煙家・嫌煙家の争いに新展開、「今こそ減税すべき」「喫煙擁護するな」賛否噴出、あなたの意見は？
shutterstock_1926533963

たばこの煙がコロナ抑制？10月の値上げをめぐる愛煙家・嫌煙家の争いに新展開、「今こそ減税すべき」「喫煙擁護するな」賛否噴出、あなたの意見は？

ニュース

日本たばこ産業（JT）は23日、たばこ製品50銘柄の値上げを財務省に申請したと発表。申請されたのは、いずれも加熱式たばこ「プルーム」用で、認可されれば1箱当たり30円の値上げになるという。

加熱式たばこ市場でシェア上位を占めているフィリップ モリス ジャパンも、8月20日に価格改定を申請している。いっぽうでJTは、すでに紙巻たばこや葉巻たばこなど計173銘柄に関しても価格改定を7月30日に申請しており、その後認可を受けている。

今回申請された加熱式たばこも含めて、今年10月1日からの値上げ実施となる見通しだ。

値上げに「もっとやれ」勢い増す嫌煙家

このところは1～2年に一度は値上がりをしているイメージがあるたばこ。喫煙者の間でも、もはや度重なる値上げに慣れっこになっているのか、その反応は「あぁ、またか」程度のものばかり。また、このリアクションの薄さをみるに、喫煙者はここ数年ですっかり減ってしまったのでは、といった印象さえも受ける。

喫煙者が減った理由として挙げられるのが、受動喫煙防止の観点から飲食店などでの喫煙が禁止になるなど、吸える場所がとにかく減ったこと。さらに昨今のコロナ禍によって、駅前などにある公共の喫煙所なども閉鎖されるケースが各地で増えている。国立がん研究センターが今年5月に公表したアンケート調査によると、屋内外の喫煙所では感染が拡大しやすいと考える人は全体の59.4%、喫煙所の閉鎖に賛成する人は58.3%も存在するということで、恐らくはそういった声に推されての動きとみて良さそうだ。

また、同じく国立がん研究センターによるアンケート調査では、コロナ禍により外出自粛や在宅勤務が増えた影響で、タバコを吸う同居人からの受動喫煙が増えたと答えた人が33.7%に上ったともされている。この数字が多いものなのか少ないものなのかは、いまいちピンと来ないところだが、少なくともコロナ禍によって、喫煙者への風当たりがさらに強くなっていることは間違いないようである。

そういった流れもあり、今回のたばこの値上げに関しても嫌煙者からは歓喜の声があがっており、「もっと高くなった方が良い」「1箱5万円にしろ」といった、さらなる値上げを望む意見までもが多く飛び出している。

たばこの煙が「コロナ感染を抑制」との研究発表も

ただ、たばこと新型コロナウイルスの関係性という話でいえば、愛煙家からすればある意味で“朗報”といえるような話題も。なんでもたばこの煙が、コロナ感染を抑制する効果があると確認されたというのだ。

広島大学の研究チームが発表したところによると、新型コロナウイルスがヒトに感染する際に利用する受容体の構成タンパク質の発現が、タバコの煙成分によって低下することが発見されたとのこと。同研究グループでは今回の研究成果をもとに、新型コロナウイルス感染阻害薬（治療薬）の開発に応用したいと考えているという。

ちなみに、この研究を始める“原点”となった事象というのが、世界各国からあがっていた「感染者の中に喫煙者の割合は低い」という報告。新型コロナの重症化に喫煙が悪影響を与えているとされるいっぽうで、新型コロナ感染者に喫煙者が少ない、さらに喫煙者の新型コロナ陽性者が少ないという報告が英・米・仏などの研究グループから複数報告されていたという。

とにかく忌み嫌われるばかりの存在だったたばこの煙が、実はコロナとの戦いの切り札になるかもしれないといったこの報道に、ネット上からは「禁煙しようかなって思ってたのに…」といった声が。

さらに、もしもコロナリスクの低減に効果があるなら、タバコ値上げは止めるべきでは、といった声もあがるなど、日ごろ肩身の狭い思いをしていた愛煙家からは多くの歓喜の声があがる事態となっている。

さらに、ネット上などで長らく展開されている「愛煙家 vs 嫌煙家」の争いにおいても、この報道は大きな一石となったようで、愛煙家からは「喫煙派に強力な援軍が」といった声が。いっぽうで嫌煙家からは「喫煙擁護のきっかけ作るのはやめて欲しい」などと、苦々しく捉える向きが多いようだ。

とはいえ、喫煙者がコロナにかかった際に重症化しやすいといった“常識”が、これによって翻されたわけではなく、さらについ先日には、喫煙者がワクチン接種完了後の3か月後において、抗体の量が大きく低下する傾向があるとの研究結果も発表されたばかり。今回の「たばこの煙がコロナ感染を抑制」との研究結果がきっかけに、「愛煙家vs嫌煙家」の形勢が大逆転するといった事態はもちろんなさそうだが、コロナ治療薬の開発に応用できそうとあれば、愛煙家や嫌煙家といったスタンスは置いとき、その研究の成り行きをともに見守りたいところではないだろうか。

Next: 「コロナまで嫌煙してる」

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね！しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー