全米OP開催中のNYで話題。テニス界の偉人「キング夫人」とは?

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今年も錦織圭選手、大坂なおみ選手を始め多くの日本人選手が出場した全米オープンテニス。開催地であるニューヨークでは、ウィルソンがポップアップストア&テニスミュージアムをオープンし注目を集めているようです。紹介してくれるのは『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者でNY在住人気ブロガーのりばてぃさん。全米オープンを含む4つのグランドスラムの賞金が、いまでは男女同額となっているその基礎を築いたビリー・ジーン・キングさん(キング夫人)の展示など、その興味深い内容を伝えています。

ビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)さんとは?

テニスで有名なウィルソンがニューヨークにオープンした史上初のポップアップ店に併設されているテニス・ミュージアム(テニスの博物館)。

“Love All: A Wilson Tennis Experience”「すべてを愛する:ウィルソン・テニス体験」というテーマなのですが、有名テニス選手が実際に使っていたラケットなども展示されています。その中で、一番最初に紹介され特に目立っているのが、ビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)さん。

ビリー・ジーン・キングさんとは、1960年代から1980年代初頭までの四半世紀にわたり女子テニス界に君臨した名選手。女子テニスの歴史を通じて最高の偉人の一人とされていまして、テニスの4大大会のシングルスで優勝14回、ダブルスで優勝16回、混合ダブルスで優勝11回という偉業を成し遂げた方です。テニスファンの間では伝説的な人として有名かと思います。

そんなビリー・ジーン・キングさん、1971年に、年間獲得賞金額が10万ドルを突破した最初の女子選手!!…ではありますが、当時の女子テニス選手に与えられた賞金はなんと男子の8分の1ほどに過ぎず、男女の賞金格差がますます大きな問題になっていたのです。

そこで、ビリー・ジーン・キングさんは、アメリカで1970年代初頭に起こった男女同権運動でリーダーシップを取り、男子選手たちから離脱した「女性によるテニスツアー」を提唱。これが1973年に発足した「女子テニス協会」の原型になったそうです。

そして、1973年9月20日、ビリー・ジーン・キングさんは当時55歳になっていた往年の男子選手、ボビー・リッグスと有名な「男女対抗試合」を行いました。リッグス選手はその4ヶ月前、5月13日の「母の日」にマーガレット・コート夫人に挑戦を申し入れ、当時「テニス界で最も有名な母親」として知られたコート夫人を6-2,6-1で圧倒。

この後、リッグス選手は「私は男女同権運動を代表するビリー・ジーン・キングと試合をしたい」と声高に叫び、挑戦を宣言。そして、この2人による男女対抗試合は“The Battle Of The Sexes”(性別間の戦い)と銘打たれ、大々的な告知が行われたそうです。

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