「女性用化粧品を購入する男性激増」は何を意味する?社会の変化から商機を見極める方法

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日々の暮らしを大きく変えたコロナ禍ですが、こんな身近な商品の売れ行きにも思わぬ変化をもたらしているようです。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央 周さんが、男性の化粧品市場の伸びと、女性用基礎化粧品を購入する若い世代の男性が増加しているという調査会社のデータを紹介。さらにその事例から学べる「自社にとってのチャンスの有無の見極め方」をレクチャーしています。

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なぜ、この時期に男性用化粧品が伸びたのか?売り物を買えずに売り先を買えて売り伸ばすには

コロナ禍での新常態の中で、売れ筋商品も変わってきています。

同時に、既存の商品が今までとは異なる層に購入される、ということも見受けらます。

その意味で、今男性用化粧品の売り上げが伸びています。

調査会社のインテージのデータによると、2020年の化粧品の市場規模の全体では、外出が制限されていたこと、メイク用の化粧品が不振だったこともあり、前年比89%と縮小しました。

この中で、男性の購入による市場規模を見てみると、前年比104%と拡大しています。これを、2016年からの5年間でみると、111%に伸びているので、約1割の伸びです。

商品別に見てみると、「基礎化粧品」が前年比107%、とのことです。私も人前に出ることが多いため、以前から基礎化粧品、たとえば、スキンローションや、乳液などを使っていて、朝、顔を洗ったあとと、寝る前につけています。

増えた理由は、やはりオンライン会議や、リモート営業などで、画面写りをよくしたい、というビジネスマンが増えたこと。

パソコンやスマホのカメラの機能も上がり、毛穴くらいまで写りそうなので、肌を気にする男性も増えているのでしょう。

一方で、外出減のため減っているのは、「シェービング」系の化粧品とのこと。前年比93%だそうで、シェービングクリームや、プレシェーブローションなどです。

確かに家で仕事をするという場合、会議などがない限り、髭を剃る必要もないと考える人が大半でしょう。

年代別に見ると、35~69歳の男性では、男性用基礎化粧品の購入金額は、2020年に上昇したそうなのですが、購入率は伸び止まりを示しているそうです。

やはり、若年層の男性の方が、女性用の基礎化粧品を買う場合が多く、10代では65%、20代では51%とかなり高い数字です。

特に1990年台後半以降に生まれた「Z世代」と呼ばれる若者層は、化粧品に対する意識も高いようで、1カ月当たりに使う費用も、全世代の男性の平均に比べると、2割近く高いそうです。

買う理由も、他の世代と違っていて、日経新聞によると、「身だしなみのため」というよりも、「自分らしさを表現したい」という気持ちが強いそうです。

なので、先程の基礎化粧品に加えて、アイシャドーなどのメーク用品の利用も、広がっています。

やはりこの世代の多くは、YouTubeやティックトック、インスタグラムなどのSNSをやっているので、自分らしさを出したいとか、「映えたい」という意識が強いのでしょう。

そして、この世代のもう1つの特徴は、SNSを発信のツールとしても使い、かつ、今何が流行っているのか、どんな化粧品がいいのか、ということを知るための、情報入手のツールとしても使っています。

このあたりが、世代の特徴を表していて、興味深いですよね。

ここのところは、男性用のこういった化粧品が少ないこともあり、男性が女性向けの化粧品を、購入しているということだそうです。

これからは、ジェンダーレスや男性用の化粧品、メイク用品などが増えてくると思われます。

東急ハンズでも、男性用の化粧水、美容液、乳液がセットになった、オールインワンのPBを発売しているように、これから市場が拡大していると思われます。

そうなると、化粧品の周囲の市場、たとえばコンパクトミラーとか、コットンなどもまた市場が拡大しそうです。

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