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静かに進む日銀「黒田バズーカ」の店じまい。総選挙後に株も為替も逆回転がやってくる?=今市太郎

報道は自民党総裁選の話題一色です。そんな中、アベノミクスの根幹部分となってきた日銀の過去に例をみない金融緩和がひっそりと終焉を迎え、巻き戻しが静かに始まっているといった内容の記事がロイターの本国版に掲載されて注目されています。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2021年9月15日、17日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

海外報道「日銀は急進的な総裁の仕事を巻き戻す」

巷では次の自民党総裁候補がアベノミクスを継承すると言い出したり、野党がいまさらそのアベノミクスを検証するなどという呑気な策を打ち出しています。

そんな中、このアベノミクスの根幹部分となってきた日銀の過去に例をみない金融緩和がひっそりと終焉を迎え、巻き戻しが静かに始まっているといった内容の記事が、ロイターの本国版に掲載され話題になってきています。

黒田バズーカの後、日銀はこの急進的な総裁の仕事を巻き戻すと題された内容では、2023年に迫った黒田総裁の任期を前に、この総裁が急進的に進めてきた政策を静かにロールバックし、中央銀行と政治の境界線をぼかすような新たな政策を模索していると報じています。

確かに、足元の相場ではすでに日銀はTOPIXのETFさえも下落時に買い向かうことは中止しており、ステルステーパリングをすでに実施していることは間違いなさそうですが、ここから先どのようにして出口を考えていくのかが、非常に注目されるところとなってきました。

もう金融緩和「継続」は不可能?

日銀の内部関係者によると、このロールバックプロジェクトを主導しているのが雨宮正佳副総裁で、次期総裁はこの日銀生え抜きの人物が指揮していくことがほぼ内定している、というような報道もされています。

ただ、このロールバックプロジェクトでもっとも大きな障害になるのは、大量に買い付け過ぎた日経平均のETFをどう処理するか。

一応は、別の法人を擁立して、そちらにすべて移管して時間をかけて消化していく方法をとることになるのでしょう。

また国債を買い上げて金利を上昇させないという、いわゆる金融抑圧政策をどうするのかも非常に興味のあるところです。

このまま金利が大きく上昇した場合には、すでに発行した大量の赤字国債の利払いに追われることになるのは明白なだけに、一部の緩和措置はそう簡単には終焉させられないという見方も強くなっています。

いずれにしても、どこかの自民党総裁候補が口にするように緩和継続というのは、日銀サイドでは、もはや継続不能と考えていることは明白な様子。

政治と中央銀行がどう折り合いをつけるのか、強引に政権の政策にリンクさせられることになるのかどうかが、大きな注目点となりそうです。

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