定年退職して退職金が銀行に振り込まれると、そのお金を狙って金融機関から営業電話がかかってくることがあります。安易に投資してしまうと、大切な退職金が減ってマイナスになることもありますのでご注意ください。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
定年退職者を狙う金融機関
定年まで会社を勤めあげれば、多くの人は退職金を手にするでしょう。
現在、定年年齢で多いのは60歳ですが、再雇用制度や勤務延長制度などを利用して、60歳以降も働き続ける人は多いです。
再雇用制度などを利用する場合でも、いったん定年時に退職して、その後に契約・嘱託社員として継続して働くことになるため、定年時に退職金が支払われます。
数千万円単位のまとまったお金が手に入るのですが、金融機関ではこれら退職金マネーに狙いを定めて、一斉に営業をかけてきます。
退職金が銀行口座に振り込まれてもそのままにしておくと、大抵の場合、銀行から電話がかかってきます。
銀行員が勧める「退職金専用プラン」は罠だらけ?
その際に、「退職金専用定期預金」を勧められることが多いでしょう。
金利が0.5~2%と高いのですが、大抵は預入期間が1~6ヶ月と短いのです。
1年以内に退職金を受け取った方限定で1人1回限り、最低額500万円以上という販売方法となっています。
そして、多くはNISA口座とセットにして金利を上乗せしたプランも勧められるのです。
抱き合わせで販売されている投資信託はどれも手数料の高いものが多いのです。最近の傾向としてバランス型の投資信託や先進国債券の投資信託を勧められることが多いようです。
他には「外貨建ての保険」を勧めることもあります。「金利が高くて、相続対策にもなりますよ」というセールストークで販売されています。
外貨建てで高金利であっても、保険商品ですから手数料は、かなりかかります。一括で購入してしまうと、その後の為替によって、マイナスになってしまうリスクもあります。
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