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「チャージできない」モバイルSuica障害10時間、手持ち現金ゼロで詰む人続出。2万円上限、低評価アプリほか不満噴出でユーザー離れも

JR東日本の「モバイルSuica」に、5日朝からチャージができなくなるなどの不具合が発生し、利用者の間で大きな混乱が発生した。

Twitter上にあるモバイルSuicaのサポートアカウントでは、5日の午前8時ごろに「現在、システム障害によりApple PayのSuicaでチャージや定期券・グリーン券の購入ができなくなっております」とアナウンスが。その後、懸命の復旧作業が続いていたようだが、同日午後4時ごろに復旧したということである。

また、私鉄各社が発行する「モバイルPASMO」でも同様にApple Payでチャージできない障害が発生したという。JR東日本によると、米アップルから「ネットワークなどの障害が発生している」との報告を受けているとのことで、Android版アプリでは同様の事象は発生しなかったようだ。

現金派からは「便利は不便」との声も

今回のモバイルSuicaなどの不具合が表面化したのは、ちょうど朝の通勤時間帯。都内では10月から緊急事態宣言が解除になったことから、リモートから出社に切り替える会社が増え、「満員電車が復活した」との声が聞こえて来た最中だっただけに、混乱に巻き込まれた方は多くいた模様だ。

ネット上では「会社行くのに切符を買う羽目に」といったぼやきにくわえ、日頃Suicaなどの電子決済に頼りきりで現金を持ち合わせてないといった人からは「完全に詰んだ」との声も。さらに、モバイルSuicaを発行するJR東日本のTwitterアカウントには、「遅刻した場合の損害賠償は?」「定期券の範囲分を返金しろ」といった抗議も多く寄せられている。

また、この手の電子決済はネットワークと繋がることで瞬時に決済できることが利点である反面で、それが逆に最大の脆弱性でもあるといった指摘も。昨今の電子決済普及の流れに懐疑的な層からの「便利は不便」「やっぱり現金が最強」との声も、ここぞとばかりにあがっている状況だ。

以前から評判は良くなかったSuicaアプリ

今回のモバイルSuicaの不具合は、Android版アプリでは発生していないということで、iOS側に原因があった可能性が高いが、なぜか多くの批判はモバイルSuicaに向けられる形に。

もともとiOS版のモバイルSuicaに対するユーザーの評判はあまり良くないようで、App Storeでの評価は5点満点中2.2点。レビューには「電波の状態が悪くなくてもグリーン券が購入できなかったり、何分経っても購入できない」「チャージ時にトラブルが多発する」など、結構肝心な場面でおかしな挙動をすることが多いようだ。また、チャージが画面に反映されず、何度か操作を繰り返していると、後にその分がすべてチャージされているという、いわゆる「多重入金」もあるようで、そういった日頃の評判が今回の批判にも繋がっている格好だ。

また、そもそものSuicaの不便な点として、以前から意見がかなりあがっているのが、チャージ上限が2万円という点。通勤・通学時でのちょっとした買い物や飲食などで使うと、すぐにチャージ残高が底をついてしまい、ましてやネットショッピングなどで金額の高い買い物ができないとの声も多いのだ。

JR東日本側としては、お客様が紛失してしまった際の損失や、不正利用やセキュリティの観点から、あまり高い金額は設定できず、そもそもSuica対応エリアを乗り通しても、そこまで高価にはならない…というのが、「チャージ上限2万円」の理由のようだ。ただここ数年で、他のQR決済サービスなどと競うように、利用できる店舗やシーンを拡大し続けていることもあり、さすがに実情と合わなくなっているようだ。

さらに政府も目下のところ、キャッシュレス化の促進のために給与のデジタル払いの検討を進めており、そう遠くない未来には解禁されるようだ。モバイルSuicaは昨年9月に会員数1,000万人を突破するなど、首都圏を中心に多くのユーザーを持つようが、「給与デジタル払い」が現実のものとなった際に、肝心な時に挙動が怪しく、チャージ上限が2万円と使いづらいSuicaは、シェアを大きく落としてしまう可能性も考えられなくもないだろう。

Next: 「現金派・切符派・カードSuica派の皆さんのドヤ顔」

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