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成人年齢引き下げで「18歳にもカネ貸し」貸金業者は4社に1社も。ソシャゲ・投げ銭で大借金&リボ地獄で若者の“自己破産”爆増は必至か

民法上の成人年齢が来年4月から18歳に引き下げられるが、日本貸金業協会が消費者金融や共済組合など420業者などを対象に行った調査によると、そのうち105社が18~19歳に貸し付けをする意向だと判明したことが、大きな波紋を呼んでいる。

報道によると、来春以降も18~19歳を貸し付けの対象としない事業者は全体の49.3%とほぼ半数を占め、また「未定」としているところもも25.7%存在するものの、全回答の4分の1にあたる業者が18~19歳に貸し付けると回答。そのうち、限度額を「20歳以上と同様」としたのが46社あり、さらに37社が貸し付けの際に親権者の同意をとらない方針だという。

未成年者への貸し付けに関しては貸金業法上、現在でも可能だが、そのいっぽうで未成年者が親権者などの法定代理人の同意を得ずに行った契約の申し込みは、原則として取り消しができる。ただ来年4月に成人となる18~19歳は、その契約の取り消しができなくなるという。

若い世代が騙された「西山ファーム」詐欺事件

民法の改正により来年4月から実施される、成年年齢の20歳から18歳への引き下げ。飲酒や喫煙、馬券の購入など、従来通り20歳になるまではNGなものもあるいっぽうで、先述の通り各種ローンやクレジットカードなどの様々な契約が、親権者などの同意なしで行えるようになるほか、NISAやつみたてNISAも2023年からは18歳から利用できるようになるとのこと。

貸金業界にとっても契約を取り消されるリスクがなくなるとなれば、今後この層を格好のターゲットとみなして積極的にアピールしてくることは間違いなさそう。ただ、18~19歳といったまだまだ年端のいかない若者が、より気軽にお金を借りられるようになる状況に対しては、「20歳未満の多重債務者が発生したりするのか…」といった声もあがるなど、やはり不安の声が根強い。

また、若者が今まで以上に気軽にお金を借りられるようになれば、犯罪などに巻き込まれるケースもさらに増えるのではという声も。

現に先日17日に幹部の男5人が逮捕された「西山ファーム」の詐欺事件では、「クレジットカードで商品を決済すれば、利益を上乗せして返金する」「手元にお金が無くても参加できる」といった誘い文句に多くの人が乗ってしまい、結局は多額の借金だけが残ったという悲惨な顛末が各メディアで報じられているが、実際その被害者はやはり比較的若い世代が多かったようである。

ソシャゲ・投げ銭で10代から借金まみれに?

さらに、今どきの若者が気軽にクレジットカードを作れるようになった際に、大いに考えられるのが、スマホなどのソーシャルゲームなどへの多額の出費で、首が回らなくなる人がさらに増えるのではといった恐れだ。

大学生などがハタチになって学生向けのクレカを作ったはいいが、ついついソシャゲに大金を費やしてしまい、気が付けばニッチもサッチもいかなくなっていたというのは、ネット上などでもよく見られる話。つい最近も、人気のソシャゲにのめり込んだ挙句、最終的には自己破産をしたうえに鬱病とギャンブル依存症と診断され、職も失ったという人物による匿名の告白が、ネット上で大きな話題になったばかりだ。

最後は「一度壊れた金銭感覚は元に戻らない」「早くこの世からソシャゲとガチャが消え去りますように」といった言葉で〆られていたこの告白に対しては、「他人事とは思えなくて胃が痛い」と身につまされたといった声も多い反面、「馬鹿すぎる」「ソシャゲじゃなくても自己破産してただろ」といった他人事な感想や、ゲームのタイトルや登場するキャラ名を出すなというファンからの批判、さらに記述中にゲームの正式名称が間違っていたことから“釣り説”も浮上するなど、様々な思惑が絡んだ反応が飛び交っている状況だ。

さらに近年では、YouTubeなどをはじめとした様々な動画サイトの配信者に対して、未成年の視聴者が親などのクレカを盗み、異常なほど高額なスパチャ・投げ銭をするという行為が、日本のみならず世界中で問題になっている。このようにして作った借金を、まだまだ収入も少ないうえに金融の知識にも乏しいばかりに、愚かにもリボ払いで返そうとするも、当然まったく借金額が減らないどころか、毎月の支払地獄が半永久的に続く……といったことも容易に想定できそうだ。

これまでも大学等の奨学金などで、若いうちから多額の借金を抱えてしまうといった問題は大いに取沙汰されていたが、今後はそれよりも若い10代の若者が、同じような借金地獄に陥るという、末恐ろしい世の中が訪れようとしている昨今。「自己責任」の一言で切り捨てるのは簡単だが、やはり義務教育時などに金融の知識を伝える機会をしっかりと設けるなどの施策を、本気で検討しなければならない時期が、間違いなく来ているようだ。

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