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「モザイク破壊」アダルト動画公開で男逮捕にネット騒然。どんな写真・映像が再現されやすい?プライバシーゼロ社会へいよいよ突入か

AI技術を悪用し、あたかもモザイクの部分を除去したような「モザイク破壊」と呼ばれるアダルト動画をネット上で公開していた男が、著作権法違反などの容疑で京都府警に逮捕された。

報道によると、逮捕された男は動画などの解像度を高める「TecoGAN(テコガン)」と呼ばれるAI技術を用いた市販ソフトを悪用する形で、無修正まがいのアダルト動画をせっせと加工。動画1本につきダウンロード料として1,000円、モザイク除去加工料として660円、合わせて1,660円で販売していたといい、去年12月から今年8月までにかけてなんと約1万2,000点を販売。1,100万円ほどの利益を得ていたというのだ。

テコガンを用いたモザイク除去の著作権法違反での逮捕は、全国でも初めてのケースだとのこと。逮捕された男は容疑を認め「金銭目的だった」と話しているようだ。

中高年男性からは感慨深げな反応も

国産のアダルト動画には今でも付き物なモザイク処理。今のようにネット上をちょっと探せば、無修正のアダルト動画が簡単に見れてしまう時代ではなかった過去には、モザイクによって隠された中身をどうしても見たいと、アダルトビデオを目を細めて見てみたり、あるいは成人誌の裏表紙などに掲載されていた、怪しげな「モザイク除去機」の広告に心を揺さぶられたといった経験のある男性は、中年以上の世代にはきっと多いハズである。

そんなモザイクも、最近ではAI技術を使うことで“除去”されたような状況にすることができるとあって、今回の報道を通じてそのことを知った向きからは「昔に比べて進化したなあ」「もう目を細めなくても良い時代なんだね」「いつの時代もエロは技術を進化させる」などと、時の流れと技術の進化に驚く声が多くあがっている。

ただしその反面で、モザイク処理が使われる場面がアダルト動画だけに限らないのも事実。例えばテレビ番組などでも、映像に映り込んだ一般人に対して、あるいは匿名を条件に取材を受けた人物に対して、モザイクをかけるというのはよくある話だろう。

しかし、今やAI技術によってそのようなモザイクも、簡単に除去できる時代になりつつあるとあって、ネット上では「プライバシー保護でかけているモザイクも除去できてしまうと言うことか?」と、心配の声も一部からはあがっている状況だ。

単純な文字や数字ならモザイク有りでも再現?

エロを原動力に進化したAI技術によって、人類は“プライバシーゼロ”社会に突入することに……そんな思わぬ危惧も広がっている今回の報道だが、実際のところその心配は“半々”といったところのようだ。

というのも今回の件で取沙汰されている「テコガン」なる技術だが、その仕組みは簡単に言えば、大量の画像データをAIに学習させて、モザイクがない状態を推測して描画させて再現させるものだという。故に、人間の顔などといった多様で複雑なものに関しては、今の段階では再現することは難しいのだという。

そうなると、“モザイク破壊”のアダルト動画で見えているものは、AIが大量のデータを学習したうえで再現させた、あくまでも一般的な女性器の像。つまり、出演している女優さん自身のモノではないというわけだ。

ただし、その反面で数字や文字といった単純な情報、あるいは果物や動物などといった同じ特徴を持つものなら、今の技術でも本物により近く再現できるのだという。つまり、住所や名前、電話番号といった個人情報などが載っている書類や身分証明などに関しては、たとえモザイクを掛けたとしても、再現されてしまう可能性が大。最近は誰もがSNSやYouTubeなどに自分が撮影したものをアップロードする時代だが、その際には重々注意が必要のようだ。

プライバシー漏洩の新たな危険性をもたらすとともに、「ついにモザイクが除去が!」と世のエロ男性たちを“ぬか喜び”させる格好となっている「テコガン」。本来の目的はそうではないとはいえ、つくづく罪作りなAI技術だと言えそうである。

Next: 「モザイク破壊といえばダウンタウンの松ちゃんが…」

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