一大疑獄事件に発展か。自民党が繰り返す「ネット工作」の汚いやり口

arata20211021
 

先日掲載の「『Dappi』だけじゃない。ネトサポやカルト信者を使った自民党『野党攻撃』、総選挙前にも加速か? 中国の五毛党と変わらぬ日本の惨状」でもお伝えしたとおり、自民党と深い関わりのある法人が運営する可能性が指摘された、与党を擁護し野党への誹謗中傷を繰り返す「Dappi」なるツイッターアカウント。「しんぶん赤旗日曜版10/24号」の大スクープ「自民党本部事務総長の親戚名乗る 嘘情報で野党攻撃のツイート 『Dappi』運営企業の社長」により、もはや言い逃れができないところにまで追い詰められ始めている政権与党ですが、このような案件は今に始まったことではないようです。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、自民党や内閣周辺で行われていたと思しき「ネット工作」の事例を提示。さらに与党が抱える公式ボランティア団体「自民党ネットサポーターズクラブ」の存在を挙げ、自民党によるネット支配の実態を白日の下に晒しています。

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自民党、恐るべきネット支配の実態

ツイッターやブログなどに投稿しているネット右翼、すなわちネトウヨと呼ばれる方々の一部は、自民党や官邸に雇われているのではないか。そんな疑念を抱いている人もいるだろう。

ネット上には、いたずらに敵対的で可燃性の強い意見があふれているが、その割にネトウヨの実数は少ないといわれる。だが、少ない人数でも、個々人が多くのアカウントを持って、投稿回数を増やせば、それらが拡散され、寄り集まって多数意見のように見えることもある。

たとえば、仕事として投稿にかかりっきりになる組織なり個人なりを、大政党が金にあかして大量にかかえることで、世論を操作する力さえ持ちうるかもしれない。

そんな文脈で、このところ名前が挙がっているのが「Dappi」というツイッターのアカウントだ。

Dappi氏によるウソのツイートで名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉の両参院議員が10月13日、東京都内のウェブ関連会社を相手取る訴訟を東京地裁に提起し、同じ日、同党の森ゆうこ議員が参議院本会議で、この件を取り上げた。

両議員が問題にしているのは、このアカウントで2020年10月25日に投稿されたツイートだという。

「近財職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊(つ)るしあげた翌日に自殺」というような内容だったようだ。

むろん、公文書改ざんを命じられ自殺した近畿財務局の赤木俊夫さんのことだが、杉尾氏、小西氏は赤木さんに面会した事実はない。

つまりDappi氏は、赤木さんの自殺は、当時の佐川理財局長が安倍首相夫妻に忖度して決裁文書の改ざんを命じたこととは無関係で、野党議員に追及されたのが原因だというデマをでっち上げたわけである。

当然、杉尾氏、小西氏は怒りがおさまらない。Dappi氏の正体を突き止める作業に取りかかった。まずは、ツイッター社に対し、投稿に使われたネット回線のプロバイダーを開示するよう求める仮処分を昨年12月に東京地裁に申し立てた。

次に、その結果判明したプロバイダー「NTTコミュニケーションズ」に発信者情報を開示するよう求めて東京地裁に提訴し、地裁は今年9月、開示を命じる判決を下した。

回線の契約者は東京・世田谷区のウェブコンサルティング会社だった。従業員は15人で、取引先は自民党、大手出版社など。自民党東京都支部連合会や小渕優子・元経産相の資金管理団体からホームページ制作などを請け負った実績もある。杉尾氏、小西氏は10月6日、この会社に計880万円の支払いを求める訴訟を起こしている。

「Dappi」は、2019年6月に投稿を始めた。DHCテレビ「虎ノ門ニュース」などの動画を流して野党批判を繰り返し、官邸や自民党には飽くことなく賛辞を送ってきた。投稿はもっぱら平日のオフィスアワーで、土日にはほとんどないことから、個人ではなく企業がからんでいるという見方がかねてよりあった。

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