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ビットコイン最高値更新、海外「法定通貨化」で税率は変わる?税理士が教える2つの節税方法=俣野成敏

現在、ビットコインの価格は上昇しており、史上最高値を更新しています。そろそろ利益を確定したいという人もいそうですが、タイミングと方法を誤ると税金で苦労することに。今回は暗号資産と税金について、必須の知識を税理士さんに聞きました。(俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編

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※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』2021年10月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
ビジネス書著者、投資家、ビジネスオーナー。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年に独立。フランチャイズ複数店舗のビジネスオーナーや投資家として活動。投資にはマネーリテラシーの向上が不可欠と感じ、その啓蒙活動にも尽力している。自著『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部、共著『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが13万部を超えるベストセラーとなる。近著では『トップ1%の人だけが知っている』のシリーズが11万部に。著作累計は48万部。ビジネス誌やwebメディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を5年連続受賞。

ビットコインの法定通貨化で税率が変わる?

今回は「暗号資産と税金について考える」特集をお送りします。

最近、暗号通貨業界で大きな動きがありました。なんと、ビットコインを法定通貨にする国が現れたのです。「いよいよ、暗号資産が通貨になる」と期待を寄せた人もいたのではないでしょうか。もし、それが本当なら、税金等に関する扱いも大きく変わる可能性があります。

今回も、特別ゲストをお呼びしています。中小企業を中心とした税務やスタートアップ等のサポート業務を行なっている、よこた税理士事務所代表の横田秀作さんです。

暗号通貨やその節税対策などについて、お話したいと思います。

プロフィール:横田秀作(よこた しゅうさく)
神戸大学大学院機械工学専攻修了後、富士ゼロックス(株)に入社。光学部品の技術開発とハード設計に従事し、社長賞を2度受賞。モノづくりを通したコスト感覚を活かしてコンサル型税理士を志し、退職2年後に税理士試験に合格。法律と経営に精通するため、MBAを取得しながら実務経験を積む。現在、よこた税理士事務所代表として、製造業・医業を中心に税務をサポート。その傍ら、企業の経営者向け節税セミナーや副業サラリーマン向けの節税セミナーなどを実施している。

※本記事は、横田さんへの取材をもとに、筆者(俣野)が適宜内容を補って執筆しています。

いよいよ暗号資産が“通貨”となる日が来る!?

2021年9月7日、中南米のエルサルバドルが、世界で初めてビットコインを法定通貨に定めたというので、大きく報じられました。
※参考:エルサルバドルで抗議デモ ビットコイン法定通貨巡り: 日本経済新聞(2021年9月16日配信)

このニュースを聞いた一部の投資家が色めき立ったのは、「ビットコインが外国で通貨として認められた」からです。仮に、ビットコインが税法上、外国通貨として認められるようなことになれば、「税率が大きく変わるのでは」との期待を人々に抱かせたのです。

まず、現在の税率について横田税理士に解説していただきましょう。

「現在、日本の税法上では、ビットコインを含めた暗号資産の取引によって得た利益は、雑所得の総合課税扱いになります。この場合、税率は非常に高く、収益に応じて15%から55%(住民税含む)の累進課税となります。 しかし、もしビットコインが外国通貨と見なされれば、FX(外国為替証拠金取引)と同じように分離課税となって、一律20%の課税(住民税含む)になるのではないか、との期待が膨らんだのです」。

そもそも、資金決済法で定められた暗号資産とは、

1. 電子的に記録され、移転できる
2. 不特定多数の者に対して代金の支払い等に使える
3. 日本と外国の法定通貨、及び通貨建資産ではない財産的価値と定義されています(日銀HPより要約)

つまり現行法では、もしビットコインが外国通貨と判定されたら、同時に「ビットコインは暗号資産ではない」ということになってしまいます。

実は、エルサルバドルは2001年に自国通貨を捨て、現在は米ドルを使っています。もともと通貨コントロールができない上に、ビットコインも完全な法定通貨ではない(例外を設けている)ようです。

日本政府は、参議院の答弁の中でこの点を挙げ、「ビットコインは外国通貨ではない」との声明を発表しています。

今回、エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用した一番の理由は、国民の利便性向上のためです。当国では、国民の7割が銀行口座を持たず、GDPの2割近くが出稼ぎ労働者からの仕送りで占められています。

要は、海外からの送金をスムーズに受け取る必要性に迫られての措置、と考えたほうが良さそうです。

Next: 気をつけたい暗号資産の課税方法。売却タイミングが重要になる

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