本当にコレしかないの?「メニューがない居酒屋」のウマすぎる戦略

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コロナ禍で苦境に立たされた居酒屋も、規制が緩和されるとともに活気を取り戻しつつあります。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、3軒の居酒屋の「面白い戦略」をそれぞれ紹介しています。

メニューなき居酒屋

おばちゃんが1人で切り盛りする居酒屋には、メニューがありません。「おまかせ」あるいは「何でも作ってくれるのか」と思うでしょうが、どちらもハズレです。

「お通し5品 300円」。

料理は、これだけなのです。席に座れば、この5品が出されます。注文するのは、飲み物だけ。

おばちゃんにはファンがいて、おばちゃんの料理にもファンがいて、メニューのないことに文句を言うお客さまはいません。出された料理をつまみながら、お酒を飲みます。

しかも、たった300円なので、その分の浮いたお金をお酒にまわします。つまり、お酒の注文がどんどん入るということです。

居酒屋はアルコール類で儲けるのがセオリー。料理を300円にすることで、利益率の高いアルコールが売れるのです。

また、お客さまのいる間に料理を作らないので、お客さまとじっくり話ができます。これで、おばちゃんファンも増えるのです。

計算ではないでしょうが、見事な戦略となっています。

ゲテモノサワー

東京・谷中のある居酒屋には、サワー(酎ハイ)が約140種類もあります。味噌サワー・甘酒サワー・おしるこサワー・キムチサワー・かぼちゃサワー・ポタージュサワー……。

試すのを躊躇してしまうような、いわゆる“ゲテモノ”です。しかし、これがお店の“売り”になっています。

怖いもの見たさのチャレンジャーが、毎夜「マズい!」「いまいち!」「なんだ、これは?」と文句を言いながら、笑顔で呑んでいます。変なものを楽しんでいるのです。

このお店のすごいところは、新しいサワーを考える時、店主は味見をしないということ。

インドマグロ 

東京・有楽町にある居酒屋さんの看板や暖簾に書かれているのは、「インドマグロの玉菊」。普通の居酒屋さんなのですが、イチオシがインドマグロなのです。

日本では、クロマグロに次ぐ高級品として知られ、それが比較的安く食べられるので、このお店にはマグロファンが殺到しています。

マグロファンでなくても、このキャッチフレーズには興味を持ってしまいます。まず、一般人はマグロの種類まではあまり知らず、「どんなマグロだろう?」と考えます。

また、あまり聞いたことのないインドマグロを推しているお店にも興味が湧きます。つまり、新鮮で斬新さを感じるのです。印象に残りやすいのです。

そして、「入ってみよう!」となるのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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