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立憲・江田氏“NISAに課税”発言に「清純派AV女優みたいなこと?」ほかツッコミ殺到。枝野代表が釈明も火に油、大手メディアはだんまりの怪

立憲民主党の江田憲司代表代行がテレビ番組出演時に、金融所得課税の問題に関して、NISA(少額投資非課税制度)もその対象になるといった趣旨の発言をし、ネット上が騒然としている。

発言があったのは、28日夜に放映されたBSフジの報道番組「プライムニュース」。江田氏は法人税や所得税の優遇税制の見直しや、いわゆる「1億円の壁」に関して、年間所得1億円超の場合は国際水準並みの30%にしたい、との構想を語っていたのだが、そこで番組キャスターが「それはNISAとか少額で低所得者が積み立てている株式運用に対しても30%にするのか」と質問。それに対して江田氏は「かけます」と答えたという。

「NISAのことをよく知らないのでは?」説も浮上

2014年から始まったNISAといえば、ご存じの通り個人の株式や投資信託の売買から生じる所得への課税が、同制度が適用される口座においては非課税になるというもの。それまで高齢者層に比較的偏っていた個人投資家の裾野を、若年層などにも広げることで市場を活性化させ、さらに若者による長期の資産形成を後押しする狙いで創設された制度である。

要は“非課税”というのがキモの、比較的低所得な層を対象とした制度にもかかわらず、江田氏はあろうことかそれに対しても課税、しかも今回の話の流れだと30%の課税を視野に入れているとのことで、利用者からすればまさにトンデモない話。

この「NISAに課税」がいかほどあり得ない話なのかということで、ネット上では「清純派AV女優」「ダイエットコーラに砂糖」「女性専用車両で痴漢」といった多くの例えが飛び出すなど、ある種の大喜利状態となっている。

ネット上では、上記のように「NISAに課税などトンデモない!」といった批判が多く寄せられるなか、いっぽうでは「江田氏はNISAのことをよく知らないのでは?」といった説も急浮上。しかし、それはそれで政治家として色々とヤバいのでは、ましてや江田氏は立憲民主党の要職に就く人間で、党の経済政策担当なのに……といった声も多くあがるなど、まさに袋叩きといった状況だ。

枝野代表の釈明にもツッコミが

このように大騒動となっている江田氏の発言だが、29日午前になって立憲民主党の党首である枝野幸男氏がTwitter上で反応し、党としてはNISAに関して課税強化は考えていないどころか、制度拡充を訴えていると“火消し”のツイート。今回の騒動に関しては「一部幹部の発言が誤解を招いていますが」としている。

さらに江田氏本人も29日午前に自身のFacebookアカウントを更新し、昨晩の自らの発言に対して、NISAに課税しようという趣旨ではないと釈明。「いずれにせよ、私の言葉足らずの誤った発言によって、皆様にご心配、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。」と述べている。

確かに、ネット上で拡散されている問題発言時の映像をチェックすると、とにかく持論をしゃべりたがる江田氏が、番組キャスターからの質問をしっかりと聞いていないようにも見えなくもない。立憲民主党としては「NISAの完全否定」はもちろんだが、「党の幹部がNISAに関して無知」というのも筋が悪いということで、あくまで今回の件は番組内でのコミュニケーション不全、あるいは“言葉足らず”ということでケリを付けたいようだが、そのような反応に対して「それじゃまるで自民党と同じでは」との声もあがっている状況だ。

いっぽうでSNSやブログ、まとめサイトなどネット上では大いに盛り上がっているこの件だが、大手紙などの大メディアでは、なぜかウェブ版も含めてまったく報道されていない状況。党の方針とはまったく真逆な内容の発言だっただけに、さすがに本人の言い間違いではないかと踏んで、報じるのを自重しているのかもしれないが、その原因はいまのところ不明である。

最近ではSNSをはじめとしたネット上が選挙戦における主戦場のひとつとなっているなかで、今回の「NISAに課税」発言は、投票日直前というタイミングもあって、たとえ言い間違いだとしても一定の影響はありそう。

江田氏や立憲民主党サイドとしては、大いに悔やまれる失策となったが、いっぽうで今回の発言の拡散のされ方に関しては、ある種作為的なものも感じるといった見方も。与党にしても野党にしても、政策論争というよりも相手の失策待ち、足の引っ張り合いといった動きが殊に目立つ最近の選挙戦だが、そんな時だからこそ各党・候補者による主張を正確に理解して、そのうえで一票を投じるという、真っ当な投票行動に立ち戻りたいところだ。

Next: 「『誤解を招く』という表現は駄目」

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