1缶250万円「テスラ缶」で若返り？コロナ陰謀論界隈での人気ぶりにツッコミ殺到。フタを開けたら効果消失、YouTuberの“開封の儀”に期待する声も

このところスピリチュアル愛好家の界隈で大きな話題となっているという「テスラ缶」なるアイテムの存在が、ここに来て広く取沙汰される事態になっている。

【注意喚起】「歯が再生」「若返る」など効能をうたいながら、「テスラ缶(メドベッドジェネレーター)」なる物体が高額で売られています。日頃からデマを流して煽る陰謀論系YouTuberらが輸入業者と連携して宣伝していますが、海外発スピ系商法の産物で、医療機器でもなく科学的根拠にも乏しい置き物です pic.twitter.com/ht4l2aFdx1

— 黒猫ドラネコ (@kurodoraneko15) October 27, 2021

テスラジェネレーターとも呼ばれるこのテスラ缶だが、見たところは英字のラベルが貼られた単なる黄金色の缶。しかしこれをベッドの下に置いて寝るだけで、「歯が再生する」「若返る」「病気が治る」「よく眠れる」などの数々の効能が得られるというのだから、俄かには信じられない話だ。

「開けると効果がなくなる」ともいわれるこのテスラ缶の気になるお値段だが、なんと1個で250万円。ちなみに“テスラ”という名称だが、エジソンのライバルとも言われた19～20世紀の発明家、ニコラ・テスラから来ているようで、あの有名な電気自動車メーカーとはまったく関係ないようである。

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体験会に反ワクチン派がこぞって参加？

このように見るからに“怪しげ”といった雰囲気を醸し出すテスラ缶だが、ここ最近は同アイテムを取り扱う代理店への問い合わせが殺到しているとのこと。その支持の輪の中心となっているとみられるのが、どうやら反ワクチン派やコロナ陰謀論者といった面々らしい……と、ネット上では指摘されている。

最近陰謀論界隈で持ち上げられているテスラ缶(お値段250万円)の体験会が行われた模様。置いておくだけでどんな病気や怪我も治るとされているが、缶を開けると効果がなくなるので絶対に開けてはいけないらしい。 pic.twitter.com/xIzNncuwCb

— PCR検査は感染症の診断に利用できます (@q44bh4aD6wzu8Pv) October 27, 2021

実際、このところ各地で行われているというテスラ缶の体験会の模様を見てみると、かなり狭めなスペースに鈴なりのギャラリーが例のテスラ缶を取り囲んでいるのだが、ほとんどの参加者がノーマスク。テスラ缶の支持者と反ワクチン派・コロナ陰謀論者との親和性の高さを物語るものとして、多くのリツイートを集めているこの画像だが、どうしてそういった層がテスラ缶にこぞって飛びつく格好になったのか、その詳しい経緯は不明。ただ、ネット上ではなぜか「さもありなん」といった反応が、多くを占める格好となっている。

SNS上では当然のように、このテスラ缶に対してのツッコミが殺到する事態となっているのだが、そのなかで一部から注目されているのが「開けると効果がなくなる」「手軽に開けられない高額設定」という2つのポイントだ。

そばに置いておくだけで、病気が治り若返るなどといった驚きの効能を持つとされるテスラ缶だけに、その缶の中身がどうなってるのかは、誰しもが気になるところ。ましてや「開けたら効果がなくなる」などと言われれば、浦島太郎の玉手箱や狂言の『附子』ではないが、試しに開けたくなる感情がさらに高まるのは無理もないだろう。

ただ、そこで効いてくるのが1缶250万円という値段。一般庶民からすればとんでもなく高額な価格設定は、このような発作的に開けてしまいたくなるといった欲求に対しての“抑止力”になっているというのだ。

そんなある意味での“騙しの構図”に、一部からは感心する声もあがるテスラ缶。ただいっぽうで、再生回数のためなら何でもやるといった傾向がどんどん顕著になっているユーチューバーのなかに、今後テスラ缶の“開封の儀”をやらかす人間が出てくるのではといった声もあがっており、今後もこのテスラ缶を巡ってさらなる騒動が起こることも大いに考えられそうだ。

高額なだけに今後のトラブルも危惧される

昔から「鰯の頭も信心から」と言うが、とはいえ科学が進歩した今日では、そういった根拠に乏しい製品に関しては排除されていくのが常。

つい最近では、洗濯機に入れるとマグネシウムの働きで洗濯できるという「洗たくマグちゃん」なる製品を作っていた会社に対し、消費者庁が「広告の内容には根拠がなく、景品表示法違反（優良誤認）に当たる」として、課徴金3606万円の納付を命じたと報じられたことが、大きな話題となった。

ただその反面で「洗たくマグちゃん」は、環境問題に対して意識の高い層からは「洗剤が少なくて済む」と、バカ売れだったとも聞く。たとえ科学的根拠に乏しいものであっても、世間に潜む何らかの欲求や空気感といったものにマッチしたものならば、まったく関係なく売れてしまうというのが、ひとつの真実でもあるのだ。

しかし、そうは言ってもとりわけスピリチュアル界隈においては、いわゆる「霊感商法」といった類のものに騙されて……といった話は、昔からよく耳にするところ。殊にそのアイテムが高額なものになるほど、購入を巡って周囲の人々との人間関係も壊れる事態も多いだけに、今後そういったトラブルが起こらないことを切に祈るばかりだ。

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