温室ガス削減、目標年次示せず 中国、石炭発電で歩み寄り―G20首脳会議閉幕

2021.11.01
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by 時事通信


31日、ローマで記念撮影を行う20カ国・地域(G20)の首脳たち(AFP時事)

31日、ローマで記念撮影を行う20カ国・地域(G20)の首脳たち(AFP時事)

  • 31日、ローマで、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)閉幕に際して会見する議長国イタリアのドラギ首相(AFP時事)
  • 20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加する首脳ら=30日、ローマ(AFP時事)

 【ローマ時事】ローマで開かれていた20カ国・地域首脳会議(サミット)は31日、2日目の日程を終え、閉幕した。焦点となった気候変動をめぐっては、温室効果ガスの削減目標年次を決められず、首脳宣言は「今世紀半ばまでか、半ばごろ」という曖昧な表現にとどまった。石炭火力発電に関して中国の歩み寄りも見られた。議論は英グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に引き継がれる。
 G20による二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量は世界の8割を占めるとされる。排出量を実質ゼロにする目標年次では「2050年」と宣言に明記したい先進国に対し、中国は排出量を従来目標と変えずに「60年までに実質ゼロにする」(習近平国家主席)と主張。ロシアも中国に同調し、先進国側との合意形成は難航した。
 一方、首脳会議では排出削減対策をしていない海外の石炭火力発電への公的支援の年内停止で一致。これはインフラ輸出を進める中国が譲歩した形だ。
 議長国イタリアのドラギ首相は閉幕に際しての記者会見で「(気候変動をめぐり)中国は数日前までわれわれの提案に全く乗り気でないと思っていたが、動いてくれた」と評価。ドイツのメルケル首相は「中国は重要な一歩を踏み出し、他国も協調した。代替エネルギーへの移行が、大幅に早く進むことになる」と語った。(2021/11/01-05:43)

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