【書評】「仕事が生きがい」という人はなぜ定年後“危機”に陥るのか

Thinking middle aged businessman with a laptop computer.
 

定年後、あなたは何をしようと考えていますか? 今回の無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、定年を迎える人へのアドバイスを綴っている、ある一冊の本を紹介。組織の中から抜けたあと、どう幸せに生きられるかを示してくれています。

定年をどう生きるか

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定年をどう生きるか

岸見一郎 著/SBクリエイティブ

アドラー哲学を紹介した『嫌われる勇気』の著者が考える定年後の生き方です。本のソムリエも55歳になったので、この本を手にしました。

著者は精神科の病院に勤めていたとき、本の翻訳の仕事をしていたという。また、哲学の先生でも休みの日に小説を書いている人もいる。こうした興味のあること、儲からなくても楽しいことなどを今からやってみるのも定年後に役立つようです。

ただ、著者は定年後のために何かを準備しておくという意味ではなく、自分のやりたいことを今やるという意味で、それは仕事がある時でも定年後でも同じことなのです。

早くからこのような副業や趣味を見つけておくことが、定年後の人生にとって大切だと思いますが、…働いている時に副業や趣味があり、それを楽しみに生きられるのがいいように思います。(p65)

仕事によって自尊心を維持していた人が定年になって仕事がなくなると、不安になり家の中で昔の状態を維持しようとしてトラブルになることがあるようです。

会社では威張っていても職位によって何も言われませんが、家で威張っていては反発されることになるのでしょう。特に感情的になってしまう人は、心の底では自信がないのでそうしないと自分自身を維持できないということなのです。

仕事が生きがいであっても問題はないと思いますが、いずれ仕事は定年でなくなるということも考えておく必要があるのでしょう。

感情的になって大きな声を出したり、まわりの人を叱りつけたりする人は、自信がないので、普通にしていれば自分が認められないと思っているから、感情的になることで上に立とうとするのです。(p77)

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