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もう「モリカケ桜」は迷宮入り。虚偽答弁・統計改ざんを許す日本は民主主義を名乗れない=斎藤満

日本の民主主義は破壊されつつあります。国会での虚偽答弁の多さ、資料の改ざん、黒塗りされた資料、「モリ・カケ・桜」ほかチェック体制が機能していません。このままでは中国にも劣る民主主義の後退が懸念されます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

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※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年11月15日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

後退した日本の「民主主義」

中国の民主化を進めたい米国。その米国に対し中国は、「自国の問題を棚に上げて手前勝手な民主主義を押し付けるな、民主主義は国ごとに異なる」と反発しています。

今や世界中で民主主義が脅かされていますが、日本も例外ではありません。

自民党が圧倒的多数を占める国会の言動を見ていると、この10年で、特に日本の民主主義が大きく後退した印象を強く受けます。

選挙は民主化の象徴か

民主主義の象徴と言われる「選挙」についても考えさせられます。

中国では今月5日に、北京市で5年に1度の地方の人民代表大会(議会)選挙が行われました。選挙といっても、共産党から認められた人間しか立候補できず、民主化を進めようとした候補者はみな排除されています。

香港でもそうでしたが、中国では選挙で民主化を進める道が閉ざされています。

民主主義のリーダーをうたう米国でも、選挙ではもめています。前回の大統領選挙でもトランプ陣営は自分らの票が盗まれたと主張、調査と数えなおしを繰り返し、結果の判明に何日もかかったばかりか、負けたトランプ陣営がホワイトハウスを占拠しようと、暴挙に出ました。

それに比べて静かに執り行われたように見える日本の今回の衆議院選挙でも、不思議なことがいくつかありました。

衆議院選で起きた不思議なこと

期日前投票がいつになく多かったとメディアは報じていましたが、結果は前回選挙時よりも少なかったといいます。

また私自身、今回は朝早めに投票に行きましたが、すでに投票所には多くの人が来ていて、並んで待つことになりました。

明らかに投票への関心が高まり、若い人の間でも投票に行こうとのSNSでの動きが高まっていました。

ところが、最終的には戦後3番目に低い投票率となりました。現場での感覚と大きくかけ離れています。

そして出口調査の結果と、最終的な結果の数字が今回は大きくかけ離れました。投票締め切り直後の票読み段階で、自民党は単独過半数を維持する見込みとされましたが、それでも大きく議席を減らす予想でした。

しかし夜中から接戦区で連続して自民が勝ち、260議席を超えて圧勝となりました。逆に立件民主は出口調査から100から145議席獲得と報じられましたが、結局96議席まで減らしました。

米国ではトランプ陣営が選挙監視に出て、チェックを重ねましたが、集計の段階で業者の手が入り、そこでの「不正」は解明できなかったものの、トランプ票が盗まれたと主張し、選挙においても、投票、集計のいずれかの段階で不正が働いたと主張しています。

この手の選挙「不正」「操作」は以前から指摘され、民主国家米国でさえ、選挙には不正の余地が大きいとされました。

日本では厳格な選挙管理監視体制がとられていますが、これだけ出口調査と結果の乖離が大きくなると、何か起きた可能性はゼロとは言えません。集計の結果について、接戦区でも米国のようなチェック、再集計の声は上がりませんでした。

集計業者の独占を廃し、複数業者で集計、チェックする体制を提言する人が出てきてもおかしくないのですが。

Next: 多すぎる国会の虚偽答弁。“アベ疑惑”を風化させていいのか?

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