維新が自らの手柄にすり替え。1日100万円の文通費を“仕方なく”全額寄付へ、吉村知事の疑惑を大手メディアが報じないワケ

2021.11.16
by tututu
吉村大阪府知事②
 

日本維新の会は15日、各衆院議員に毎月支給される100万円の文書通信交通滞在費(文通費)に関し、10月分を寄付する方針を固めた。時事通信などが報じた。寄付先は未定。この問題を巡っては、批判した維新副代表の吉村洋文知事が衆院議員時代にこれを受け取っていたことが判明。“仕方なく”寄付することで、維新が火消しに走ったのではとの見方も出ている。

維新が文通費を全額寄付で火消しも国民「騙されない」

発端となったのは、東京1区から出馬し、小選挙区では敗北したものの比例で復活し、初当選を果たした泰輔衆院議員。

小野氏は10月31日の衆院選で初当選し議員資格を得た新人・元職が、わずか1日間の在職で同月分の満額にあたる100万円を受け取るのはおかしいと異を唱えた。

これに呼応したのが吉村大阪府知事。吉村氏は「これが国会の常識。おかしいよ」と自身のツイッターに投稿。しかし、吉村氏が衆院議員時代、在任期間が2014年12月19日から2015年10月1日だったことから、「吉村さんも2015年10月1日の1日で満額の支給を受けているのでは?」との指摘が殺到。巨大ブーメランとして返ってきてしまったのだ。

それを受け、吉村氏は自身のツイッターで、「僕自身、6年前に国会議員の身分を捨て、橋下市長の後を受けて、大阪市長選挙に挑戦しました。その際、議員辞職日が10月1日だったので、記憶が曖昧ですが、文通費を受けています」と説明。

「今回の文通費のおかしさを僕自身が取り上げています。ケジメがつきませんから、6年前のことですが、満額寄付を致します」と発表していた。

吉村氏は「記憶が曖昧」としたが、れいわ新選組の大石あきこ議員は自身のツイッターで、「衆議院担当部署に問い合わせたら『100万円受け取った』『返金してない』との回答でした」と、吉村氏が受け取った上、返金していない事実を紹介。

さらに、「吉村さんと維新はこの6年間、何をやってたんですか? 『やる気がないのに騒いでいるだけ』なのが明らかになりました」と痛烈に批判した。

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吉村氏の文通費問題を大手メディアが報じない違和感

自身も衆院議員時代に「1日100万円の文書通信交通滞在費」を受け取っていたことから、慌てて「寄付する」という“ケジメ”を見せた吉村氏。

小野氏がおかしいと異議を唱えたことを副代表である吉村氏自身が「ちゃっかりもらっていた」となれば、維新としては立場がない。

そのため所属議員から党が徴収したうえで、新型コロナ対策で必要としている所などに寄付する考えを示すことで、松井代表が火消しに走ったとみられている。

しかし、テレビなど大手メディアは吉村氏のこうした背景をほとんど報じることなく、いわば「維新の美談」として扱っていることに、ネットからは不満の声があがっている。第3の党に躍り出た維新に妙な気を使っているとしか思えない。

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まさにブーメランとして返ってきたトラブルを“自らの手柄”に変えてしまった維新。今後大きな波紋を呼びそうだ。

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