政府は18歳以下の10万円給付に所得制限を設定する方針です。年収960万円超の高所得世帯は、もっとも損をしていると言えます。日本に見切りをつけ、海外移住を計画する時期に来ています。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)
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外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
不公平なバラマキ政策
政府与党は18歳以下の子どもに対して、現金とクーポンあわせて10万円相当を支給することで合意しました。
給付の対象に関しては、年収960万円の所得制限を設定する予定です。
マイナンバーカード保有者への「マイナポイント」付与についても、新たにカードを取得した人に5,000円分、健康保険証として使うための申請をした人に7,500円分、預貯金口座と紐付けをした人に7,500円分と、あわせて「最大2万円分」を支給することでも合意をしました。
給付をめぐっては、一律なのか、生活困窮者に絞るのか、議論がありました。
しかし結局は、子どもがいる世帯に幅広く“バラマキ”という結論となっています。
子どもがいる世帯の方が、所得は高い傾向にあります。単身の生活困窮者が給付を受けられないのは、おかしいのではないでしょうか。
また子どもがいる世帯の中でも、片親で子どもがいる世帯が生活困窮者だということが、データでもわかります。
政府都合の「線引き」がさらなる格差を生む
シンガポールや他の国でも、生活困窮者に負の所得控除(一定の収入のない人々は政府に税金を納めず、逆に政府から給付金を受け取る)という議論がされています。
資本主義の歪みによって、貧富の差はますますつきやすく、それを公平にすることは難しいです。
ですが、貧富の差が出たあとに、再配分をすることができるのは政府だけです。民間は国民の情報を持っていないから、正確に住民税非居住者に再配分をすることは困難です。
お金持ちの経営者がツイッターで給付をもらったと発言しても、その人が本当に生活困窮者なのかどうかは、国でないと判定が難しいのです。
このような中途半端な給付になってしまい、本当に残念です。
これだったら、全員に一律に配布をしたほうがよかったのではないでしょうか。高額所得者も納めている税率に対して給付は微々たるものなので、結果的に生活困窮者の方が給付の割合が高くなるからです。