井ノ上陽一の雇われない雇わない生き方への道 - まぐスぺインタビュー

税理士として独立している井ノ上陽一さんは、かつて総務省や税理士事務所でサラリーマンとして働いたこともある経歴の持ち主。現在は、複数の売上の柱を持つ「ひとりしごとモデル」を提唱し、組織に依存せずに仕事を楽しむ道を進んでいます。今回はメルマガ創刊を記念して、独立後の仕事のスタイルや、独立後のリスク、突発的な環境の変化に対する仕事の向き合い方などについてお話を伺いました。

井ノ上陽一さんのメルマガおすすめポイント
①独立後の仕事の進め方や楽しみ方のコツが分かる
②独立を目指す人の疑問点や不安要素を取り除ける
③ジャンルを問わず、幅広い質問に答えてくれる

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Q1.井ノ上さんが提唱し、このメルマガのタイトルにもなっている「雇われない雇わない生き方」って、すごく魅力的な響きですよね。これは簡単に言うと、どんな人のためのライフスタイルなのでしょうか?

私は、会社などの組織に属する生き方は、人によってはストレスフルなものと考えています。なぜ多くの人々が、組織の矛盾や不条理に心をすり減らして疲弊しなければならないのか?「雇われない雇わない生き方」は、そんな現状への疑問から生まれたライフスタイルです。

私たちは本来、組織に依存しなくてもハッピーに生きていけます。独立や起業後にわざわざ他人を雇用したり、自社の規模を拡大させたりする義務もありません。

自分ひとりでも仕事を楽しみ、人生を謳歌する道はある。その具体的な方法を、このメルマガでお伝えしたいと思っています。

Q2.井ノ上さんご自身、総務省統計局をはじめ、様々な「組織」で8年半にわたって働いてきた経験をお持ちです。それが、どのような経緯で「雇われない雇わない生き方」に至ったのでしょうか?

最初の職場である役所勤めの時代から、組織に身を置くことには違和感を抱いていました。「自分には向いていない」と。仕事内容にワクワクするものがありませんでしたし、上司の言うことが正しいともまったく思えませんでした。

例えば、仕事を終えて帰り際に「みんなで一緒にもう少し頑張ろうよ」と言われることに納得がいきませんでした。また、何時間もかかる単調な作業を、あえて手作業でするように指示されたこともあります。さすがにこれは、Excelでこっそり効率化しましたけどね。

退職を本気で考えはじめたのは3年勤めた頃。どうしようもないほど残業が多い部署への異動がきっかけです。「あ、やめろってことだな」と。

その部署では、国会質疑の回答を作成していました。大臣からの質問を受け取り、関係部門と調整しながら回答を完成させるのが仕事です。締め切りがタイトな上、何が何でも期日までに終わらせる必要があり、どんなに仕事の進め方を工夫しても定時に帰ることなど不可能。残業で午前0時を過ぎるのはザラで、たまに21時台で退勤しようものなら早上がり、というような職場でした。

過酷な労働環境のわりに、日中の仕事は連絡係・伝言係のようなもので、キャリアアップも望めない。こんな場所で人生を何年も無駄にはできないと思い、退職することにしたのです。

退職後、税理士事務所でも働きましたが「何もしなくてもお金が入ってくる顧問」という考え方が好きではありませんでしたし、会計ソフトから出てくる資料をそのまま郵送するというスタイルにも疑問がありました。人を雇って大きくすべきという考え、長く働いてこそお客様に好かれるという考えも私には合いませんでした。何よりも、お客様の悪口を公然と言っているのを聞くことが嫌でした。

ただ、当時の自分にはすぐに独立する勇気がなく、退職は税理士の資格をとってからにしようと考えました。実際に退職して独立するまでに、さらに3年かかりました。

このような経緯を経て遂に独立することができました。

Q3.読者の方も気になると思うのですが、「独立」には大小さまざまなリスクがつきものではないでしょうか?

独立して仕事をし、自分一人の力で生きていくことには、もちろん喜びだけでなくリスクもあります。メルマガでは、そのあたりの具体的な対策もお伝えしています。

例えば、独立後は新しいスキルやツールなどの情報を自分から取りに行く必要があります。待ちの姿勢は通用しませんし、情報の遅れは仕事を失うことに直結するんですよ。その反面、情報アンテナの高さは自分の強みともなります。実際に私は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIを同業他社に先駆けて取り入れることで、日常業務を効率化しながら、それぞれのコンサルティングやセミナー開催、著書の出版といった新たな仕事を得ることができました。

独立後は、「いろんな制約のある中でやり抜くこと」も大事ですね。お金がない、仕事がない、ということは当然のように起こりますが、やれることをやっていくしかありません。私の経験では、知らないことや未経験なことへのチャレンジを恐れて、後手に回ってしまうことこそ最大のリスクと言えます。

一方、サラリーマン生活にも、上司に嫌われる、会社の方針が変わる、会社が倒産する…などさまざまなリスクがありますよね。要するに、自分はどのリスクを取るか?の決断が必要なわけです。

「雇われない雇わない生き方」は、決してバラ色の夢物語などではなく茨の道です。ただ大切なのは、自らの意志で歩む道と、そうでない道とではまったく景色が違うということ。誰しもが人生で一度は茨の道を歩む必要があるのだから、それなら自分で選んだ道を行きたいというのが私の考えです。

Q4.独立によって、仕事と人生を楽しむ自由を手に入れた井ノ上さんも、初めのうちはやはり苦労されましたか?

そうですね。なにせ初めてのことでしたので、失敗だらけでした。今も失敗はしていますが、多少は減ってきたかな(笑)まあ、税理士業も絶対安泰とは言えませんし、不安は常にありますね。

でも、私は「ひとりしごとモデル」を実行していますので、本の売上がない月はセミナーの売上を伸ばしたり、セミナーの売上が少ないときは新規のコンサルティング依頼を受けたり、というふうにカバーしています。すべて同時にダメになったことは、今のところありませんね。

仕事の幅は今も広がり続けていて、まぁ、なんとかなるかなーという気持ちでいます。そういった安心感が得られたのは自分でも嬉しいですね。新たな仕事に興味を持って取り組める充足感もあります。

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Q5.井ノ上さんが編み出した「ひとりしごとモデル」について、詳しく教えていただけますか?

書く仕事(執筆、出版、ブログ、メルマガなど)と話す仕事(セミナー、コンサルティング、相談など)を軸として、自分という限られたリソースを最大限に使い、複数の売上の柱を持つのが「ひとりしごとモデル」です。どれが本業というわけではありませんし、いわゆる副業をやるわけでもありません。

私はもともと、料理やプラモデル、最近だと自作パソコンなど、とにかく「つくる」ことが好きでした。そこで、何かを「つくる」ことによって他人様からお金をいただける、それだけの能力が自分にあるというテーマを探した結果、「書く仕事」と「話す仕事」に行き着いたのです。

「書く仕事」の場合、基本的にはテキストを執筆することになるわけですが、カメラも趣味なので、毎日のブログには自分で撮影した写真を必ず載せたりもしています。こういった自由度の高さも、「ひとりしごとモデル」の楽しさのひとつ。

誰でも、1つの仕事だけをやっていると飽きてしまいますし、モチベーションが下がったら仕事の質も低下してしまいますよね?その点「ひとりしごとモデル」なら、常にフレッシュな気持ちで仕事を楽しめます。1日の中で、書く仕事、話す仕事をバランスよくやるので疲れにくい。ビュッフェを楽しむような感覚です。一度しかない人生、さまざまな仕事を楽しめるのは大きなメリットだと思います。

また、複数の仕事を持つことによる相乗効果もあります。文章を上手に書ければ、その他の仕事でお客様に何かを伝えるときにも役立ちますし、書く仕事は話す仕事にもつながっていく。逆に、誰かに話すことで思考が整理され、書く仕事がスムーズに進むことも多いんですよ。

自分の「職業」にとらわれすぎないという意味では、むしろ古いモデルなのかもしれません。昔の人は専門性にとらわれず、多彩な仕事をしていたでしょう?私はその時代に戻って、自分がいろんなことをちょっとずつやるモデルを選んでいるだけ。それが現代社会では独自性になるわけですから面白いですよね。

さらに、自分で決定したことをすぐ行動に移せるのも「ひとりしごとモデル」の良いところです。

Q6.独立するにあたって、今まさに猛威をふるっている新型コロナのようなネガティブ・イベントに対しては、どのような対策をしておけばよいでしょうか?

突発的な環境の変化に対して、「自分で決めて、すぐ動ける」状態を物心両面でキープしておくことでしょうか。それが「ひとり」であることの最大の強みですから。「考えながら動く」トレーニングを日々続けることはリスクヘッジになります。例えば私は、今回のコロナ禍で新しい本を出すことにしました。

Q7.井ノ上さんは、今回のコロナ禍で「読書」需要が増えると予測して、いち早く新刊本を出版されました。紙の本ではなく、あえて電子書籍(Kindle本)を選んだのはなぜですか?

最大の理由はスピード感です。紙の本と電子書籍では、販売開始までの所要時間に雲泥の差がありますから。さらに、ステイホームによってKindleの読み放題需要が増えるだろうという予測や、紙の本では製本・印刷の停止、流通網の麻痺、書店の営業停止といったリスクが大きいという判断もありました。

このときは、ブログの連載記事(1日1つ以上新しいことをやる「1日1新」のコーナー)を書籍化したのですが、実は、電子書籍の出版に自分ひとりでチャレンジすること自体初めてで(笑)、とても良い経験になりました。

普段は紙の本も書いていて、今まさに執筆中です。ちなみに初めての出版は、Excelと経理に関するブログ記事が版元の編集者さんの目にとまったのがきっかけでした。それ以降、ブログは書籍出版を意識して書くようにしてます。これまでの出版依頼は、すべてブログ経由でいただいています。

Q8.読者の質問に答えるQ&Aコーナーも、このメルマガの魅力の1つです。『雇われない雇わない生き方』に関するノウハウはもちろん、愛用中の寝具に関する質問もあったようですが(笑)、どんな質問でもお答えいただけるのでしょうか?

答えられるものならなんでも答えます。「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うようなことを聞いていただくことが大事だと思っていますので。

「ガンダムはどの順番で見たほうがいいですか?」「このゲームはおすすめですか?」といった質問をいただいたこともあります。

ちなみにガンダムは、まず、

機動戦士ガンダム(0079)→機動戦士Zガンダム(0087)→機動戦士ガンダムZZ(0088)→逆襲のシャア(0093)

の順でおさえていただければ。「0079」という数字は、宇宙世紀という劇中の年号で、この流れで基本の歴史はつかめます。その後、機動戦士ガンダムORIGIN、機動戦士ガンダムUCと進んでいただければ良いと思います。

これらの流れとは別に、ガンダムW、SEED、00(ダブルオー)といった比較的新しい別次元のガンダムがあります。ガンダムのことなら何でも聞いてください…!

それから、ゲームでおすすめなのは、RPGならニーアオートマタ(PS4)、ゼノブレイド(switch)ですね。ドラクエ、FFといった大作よりも光るものがあります。RPGでストーリーを体験することは、独立後にも役立つものです。まあ、そういう大義名分でゲームをしているとも言えます(笑)

Q9.そういえば、そのQ&Aコーナーで「仕事で電話は使わない」と回答されていましたね(2020年6月2日配信号)。電話を伴う業務は断っているとのこと。そこまで徹底して電話を排除する理由は何でしょうか?

誰でもそうだと思いますが、電話がかかってきても、いつでも出れるわけではありません。もし出れたとしてもこちらの仕事が中断しますし、相手に電話をかけなおしても今度は相手が電話に出れるとも限りません。また、相手の仕事を中断してしまうのではないかと気を遣ってしまいます。だからこそ電話は使わないようにしています。

場合によっては電話で話すほうが良いケースもあるでしょうが、電話を使う人は、相手が仕事を中断せざるを得ないことを考えていないような気がします。仕事の効率が悪くなるため、そのような方々とお仕事をすることは控えています。

日本では、電話により仕事の効率が奪われているシーンは多く、それらに微力ながら対抗したいと思っているんですよ。

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Q10.井ノ上さんのメルマガは、「独立を考えている方」「独立するかどうか迷っている方」「すでに独立している方」をサポートするものですが、これらの方に向けて、これだけは絶対にやった方が良いというノウハウがあれば教えてください。また、最後にこのメルマガを読むか迷っている方に向けて、メッセージをいただけますか?

「絶対やったほうがいい」というと難しいのですが、1つだけ挙げるなら、アウトプットでしょうか。アウトプットは、最高の自己鍛錬であり、他の方がそれほどやっていないことであり、売上の柱にもなります。

このメルマガを企画しはじめたのは、新型コロナウイルスが広がりはじめた頃、2020年2月でした。そんな時期に「独立」をテーマにしたメルマガなんて……と一瞬思ったのですが、いや、こういうときこそすぐ動ける独立であり、雇われない雇わない生き方だと思い、スタートしています。

私自身を例にとると、2019年に交通事故で3ヶ月入院したときも、結局は、すべて自分で決めて動かなければいけませんでした。今になって「当時、自分で決めて動くことができた」というメリットの大きさをあらためて実感しています。

自分は誰かに雇われるのか、雇われないのか?自分は誰かを雇うのか?雇わないのか?これは結局「どっちもどっち」な話です。その「どっちもどっち」の中で、あえて「雇われない雇わない生き方」を主体的に選んでみようと考えている方を、私は全力で応援したいと思っています。

当メルマガは、初月無料なのでリスクもありませんし、いつでも解約できます。私の考え方に少しでも興味を持っていただけたのなら、まずはお試しで一度、メルマガを読んでいただければと思っています。このインタビューの続きを、ぜひお話しましょう!

井ノ上陽一さん プロフィール
1972年大阪府生まれ、宮崎育ち。就職浪人後公務員試験を受け、総務省統計局へ。その後独立を目指して退職し、税理士試験を受け、税理士事務所、IT企業を経て2007年に独立。税理士業、書く仕事、話す仕事の複数の柱を持つ。ブログは毎日更新し4700日以上、著書14冊、自主開催セミナー360回以上。

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