ある意味「事故」。ソフトバンクはバルミューダフォンと“心中”するのか

shutterstock_1013448835
 

スタイリッシュなデザインを武器に、一躍家電業界の寵児に躍り出たバルミューダ。そんなクリエイティビティ溢れるプロダクトメーカーがリリースしたスマートフォンですが、ネット上では「期待はずれ」という声が多く聞かれるなど、散々な有り様となっています。このような状況を招いた責任の一端を、独占販売契約を結ぶソフトバンクに求めているのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。石川さんは自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で今回、同社がバルミューダ側に適切な助言を与えていれば、かような「事故」は起こらなかったとの見方を示すとともに、バルミューダフォンとグーグルPixelとの間の「意外な共通点」を指摘しています。

スマホ最新情報から裏事情まで、石川温さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

なぜ、ソフトバンクはバルミューダと心中する気になったのか――バルミューダとGoogle・Pixleに見る共通点とは

バルミューダが発表した「BALMUDA Phone」について、いろいろと思うことがある。率直な感想はエンガジェット日本版やアスキーの記事で執筆しているので、そちらを参考にして欲しい。

● バルミューダの名前に負けた「BALMUDA Phone」

ネットの反響を見る限り、総じて「不評」なのだが、そもそもBALMUDA Phoneを独占販売するソフトバンクはこの状況を、どう思っているのか。

BALMUDA Phoneの発表会では、4Gスマートフォンとして開発を進めていたバルミューダに対してソフトバンクが「絶対に5G対応にして欲しい」と懇願したという。そこで、バルミューダは設計をイチから見直し5Gに対応。結果として、当初、予定していた、持ちやすいとされる4.8インチディスプレイは諦め、4.9インチに変更。さらに本来であれば2021年春発売の予定だったスケジュールも後ろ倒しされ、この11月になったという。

設計を見直させるほどの助言をするのでであれば、ソフトバンクはもうちょっと「これじゃ売れない」というアドバイスもすべきだったのではないか。

ソフトバンクなどキャリア各社は、いまのスマートフォンにおける売れ筋やトレンドを誰よりも熟知しているはずだ。メーカーが提案してきた多数の本体カラーに対しても、売れる色しか調達しないなど、厳しい目でスマートフォンを取り扱っている。

いくら「独占販売」に目がくらんだからといって、ソフトバンクがちゃんとバルミューダに助言していれば、こんな事故は起きなかったのではないか。

ソフトバンクとしては世間から注目を浴びているバルミューダにデザインをすべて託したのだろうが、とはいっても、バルミューダはスマートフォンの世界においては素人だ。

なぜ、ソフトバンクはバルミューダと心中する気になったのか。14万円のスマートフォンを売らないといけない販売代理店はまさに被害者ではないか。

バルミューダはかつて経営危機を迎えたこともあったが、寺尾玄社長は「2020年の正月に初めてこの会社はしばらく潰れないだろう」と感じ、自分が一番やりたかった「パソコン」を作ろうと思ったという。しかし、パソコンは手のひらサイズのスマートフォンになっていたことから、BALMUDA Phoneを開発したという。

スマホ最新情報から裏事情まで、石川温さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • ある意味「事故」。ソフトバンクはバルミューダフォンと“心中”するのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け