失敗も成功も経験せずに経営者となった「後継ぎ」はどう育てるべきか

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事業に関する成功や失敗などの実体験を持たずに権限だけを得てしまう等、「後継経営者」にはさまざまなリスクがあります。今回のメルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では、著者の浅井良一さんが後継経営者のマネジメントについて、中国の逸話や松下幸之助氏の言葉を引きながらお話ししています。

後継経営者のマネジメント 生き死を決する知恵

後継経営者は、自身が起業したのではないので、はからずして一定の事業基盤を持てるとはいえ、付随する困難性をも持つのが常です。失敗を含めての多くの経験は、当事者に多くの知識と知恵をもたらし、またその上での成功体験は自覚と自信をもたらします。それらがない後継者は、ある意味で強みなく事を行うことになります。

大きく事業を確立した経営者は、顧客と時代の欲求をとらえ多様な人材を獲得し育成し動機づけてマネジメントしたから成果を得ます。後継経営者も、変化の中で変革してこれを実現しなければなりません。

後継経営者の困難性とはどんなものなのか、それについては3つあり、その1つは、実体験を持たないなか責任の意味も判然としないで権限を得ること、2つ目は、時代にそぐわない陳腐化する成功体験や文化を無自覚で引き継いでしまいがちなこと、そして3つ目は今日的な変化の中にあるのに安定、安全がとうぜんであると錯覚しやすいことです。

無節操に与えられることに慣らされて、無自覚であれば悲惨です。けれど、溺れることなくさらに興隆する後継者が少なからずいるのも確かで、興味深いのは、そんな後継経営者は先代と真っ向から対立するケースも多分にあり、星野リゾートの星野さんもそんな一人です。甘えを克服して、基盤を活用し革新できる経営者には未来があります。

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