犯人は父。ある日、箱入り「新品プリンター」が消えた年末騒動記

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「ちょ、私が楽しみにしてたプリンがなーい!食べたの誰?」──漫画やアニメでよくあるシーンですが、プリンではなく「プリンターがない!」という経験を語るのは、父親のヤンチャエピソードを紹介するメルマガ『ファンキー過ぎる家族がいてもマジメに生きてる娘の話』著者のミーミーさん。年賀状印刷で家庭内で最もプリンターが活躍する時期に、父親にしてやられた忘れられないエピソードを綴っています。

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父の「笑った!困った!驚いた!」エピソード:消えたプリンター

まだ独身で実家にいる頃、新しいパソコンとプリンターを購入しました。仕事によく使うし、ボーナスが出たタイミングで「自分へのご褒美」と「これからも頑張るぞ!」の気持ちもこめて、ちょっと意気込んで最新式のパソコンとプリンターを。詳しくはないのですが良いのを買ったんですよ。

季節は忙しい12月。パソコンは届いてすぐに使いはじめましたがプリンターは箱から出す暇がなく、そのまま1週間ほど、私の部屋の片隅に置いていました。冬休みに入ったら接続しようと思って。

ある日、帰宅したら私のそのプリンターの箱がないんです。「え?!」と声が出てしまいました。慌ててリビングに行き「私のプリンター知らない?!」と家族に聞こうとしたところ、リビング横の父の部屋に真新しいプリンターがセットされているのが見えました。

「ちょ!これ、私のじゃないの?!」と叫びながらプリンターに駆け寄ると、父が余裕の表情で言いました。
「おうよ!良いやつ買うたなー。って、電気屋さんが言うとったわ!!」
「なんで?!なんで私のプリンターがここに設置されてるの?!」
「使うから」
「…誰が?」
「俺が!!」
「…は?」
耳を疑いました。ついでに目も疑いました。

箱からも出さずに大事に部屋の隅に置いていたプリンターが…父のパソコンにつながれているのですから。(冷蔵庫に入れていた自分のプリンがなくなってる!誰かに食べられた!というのの電化製品バージョンですかね)

「俺のプリンターな、調子悪なってん。それで電気屋さんに来てもらったらね、もう買い替えた方がいいですよー言いはってね、それなら新しいプリンターがありまっさー言うてね、つけてもらったの。お前、箱から出してないから使わへんのかなー思うて」
「…は?」
「お前の新しいプリンターはパパが使うてあげます」
「何言ってるのよ!私のよ!返して!!」
「パパな、これから早速使うのよ。ほら、年賀状印刷するから!働いてもらいまっせー」

その後、私がギャーギャー喚き散らしたら「あーもうわかったわかった!使いたくなったら貸してやるからこっちのパソコンでプリンター使えばええやん」「インクが切れたらパパが買うてやるから」と謎の妥協案を提示され…途方にくれ、スピーディーに仕事(年賀状印刷)に励む我がプリンターを眺めていたことを思い出します。

20年近く前のことですので、まだプリンターは無線であれこれデータを飛ばせるタイプのものではなく、パソコンとコードで繋がっていて機械音痴な親子には接続が面倒だった時代です。そのままそのプリンターは父のものになりました。それまでもビックリすることは山ほどありましたが、まさか購入したばかりのものを持っていかれるとは。父に対する不信感でいっぱいになりました。

今思えば小さなことのようにも感じますが、「取られた!!」とジタバタ暴れだしたくなった(実際に少し暴れました)悲しい思い出話です。家族間でこういう話、実は結構あるんじゃないかなーと思ったので書いてみました。皆さんのご家庭ではどうでしたか?

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ミーミーこの著者の記事一覧

主婦歴10年経ったところで「これからの10年は何をしよう?」とnoteを始める。その中で父について書いた「ジェット風船の行方」で【第2回たまごまる杯金賞】を受賞。その他には岸見一郎氏の『ほめるのをやめよう』についての書評を記事で【読書の秋コンテスト2020 日経BP賞】を受賞。2020年5月から毎日note開始。1年間、エッセイを中心に毎日note更新し、現在も執筆継続中。 1977年熊本市生まれ。大学卒業後、図書館司書として4年間、国語と特別支援の教員として6年間の計10年間、中学校に勤務。結婚を機に福岡市で専業主婦に。夫と息子の3人家族。好きなことがいっぱいです!!(野球と競馬と本が好き。最近は将棋や麻雀も夢中で見ています)

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