紅葉もグルメも欲張りに。「近江商人」の足跡をたどる滋賀・びわこ歴史旅

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2021/12/04

日本最大の湖・琵琶湖がある滋賀県は、万葉・平安、戦国、江戸・幕末、そして近代と、時代ごとに数々の歴史における舞台となってきました。そしていまも、貴重な歴史遺産が多くあります。

image by: (公社)びわこビジターズビューロー

最澄が建立した1200年の歴史ある比叡山延暦寺をはじめ、紫式部ゆかりの石山寺、織田信長が築城した幻の安土城跡、豊臣秀吉が戦った賤ヶ岳、甲賀忍者ゆかりの地や信楽焼など。当時の面影や雰囲気を体感できる場所が、琵琶湖を囲むように県内各地に点在しています。

歴史も自然もグルメも満喫できる滋賀。今回は「いま、旅するならここ」という場所を、ピックアップして紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

日本三大水郷の1つ、手こぎの屋形船に乗って自然を満喫

image by: (公社)びわこビジターズビューロー

滋賀県の東南部、湖東に位置する近江八幡市。ここに「日本三大水郷」の1つに数えられる、近江八幡の水郷があります。

内湖である西の湖周辺に、ヨシ原の中をまるで網目ごとく水路が走る水郷地帯です。ほかの全国に残る水郷よりも、昔と変わらない自然な風景が最も残っていると言われます。

image by:シカマアキ

水郷のさとまるやま」では、昔ながらの手こぎ屋形船に乗り、水郷をのんびり巡ります。近江八幡の水郷めぐりは、古くは織田信長や豊臣秀次ら戦国武将が、宮中の雅な遊びを真似て行ったことが始まりとの伝承も。

60分の定期船による水郷めぐりでは、うっそうと茂るヨシ原の中を、屋形船はゆっくりと進んで行きます。船の高さからだとヨシが高いため、現代の建物や電線などが隠れ、本当にタイムトリップした気分に。船頭による水郷の歴史や自然などの話を聞くと、水郷への知識がより深まります。

image by:シカマアキ

船頭さんの声のほかには、ヨシが風にそよぐ音、そしてギィーギィーという櫓の音しか聞こえません。船にゆられながらのんびりした時間を過ごすのは、現代では貴重です。春は新緑秋は黄金色と、景色が四季折々で変わります。近年は若い世代の利用客も多く、好評とのこと。

  • 水郷のさとまるやま
  • 滋賀県近江八幡市円山町1467-3
  • 定期船 大人2,200円、学生 1,870円、小学生 1,100円/貸切船 8,800円~
  • 定休日:水曜(12月~3月) 4月~11月は無休
  • 定期船(10:00、13:10、15:00) 貸切船随時
  • 公式サイト

火祭りも有名!八幡山のふもとにある歴史ある八幡宮

image by:シカマアキ

近江八幡にそびえる八幡山(271.9m)のふもとにある「日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)」は、昔も今も近江商人たちの信仰を集める神社として知られます。近江八幡や八幡山といった地名は、この八幡宮に由来するとの説があります。


八幡山の参道にそびえる楼門をくぐると、立派な拝殿と、その背後に本殿が建つ様子は壮観です。右手には、滋賀県内では珍しい能舞台も。

約4万4000平方メートルもの広大な神域には、エノキやムクなどの樹木が生い茂っています。691(持統天皇5)年に、藤原不比等が参拝して詠んだ「天降りの 神の誕生の八幡かも ひむれの杜に なびく白雲」との歌の言い伝えもあります。

image by:シカマアキ

社宝として知られる「安南渡海船額(あんなんとかいせんがく)」は、江戸時代初期にベトナムまで船で交易に向かった近江商人が描かれた貴重な絵で、複製を境内で見ることができます。

神である三神の木像などと合わせ、国指定重要文化財です。毎年3月の鎮護国家、五穀豊穣を祈る火祭り「左義長まつり」も有名。

image by: (公社)びわこビジターズビューロー

ちなみに「近江商人」は、中世から近代にかけて活躍した近江国(現在の滋賀県)出身の商人のこと。大坂商人、伊勢商人と並ぶ「日本三大商人」の1つです。

現在も、滋賀県出身の実業家を近江商人と呼ぶこともあります。例を挙げると、西武グループ、高島屋、伊藤忠商事・丸紅、住友財閥、ヤンマー、東レ、ワコール、西川、トヨタ自動車、武田薬品工業などはいずれも、滋賀県出身の実業家たちが創業した会社です。

  • 日牟禮八幡宮
  • 近江八幡市宮内町257
  • 0748-32-3151
  • 9:00~17:00
  • 公式サイト

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