全世界が失笑。あの習近平政権が主張した「中国的民主」につける薬

kou20211209
 

アメリカ主催の「民主主義サミット」や、米英豪加と広がりを見せる北京冬季五輪の「外交的ボイコット」に対抗するかのように、「中国的民主」なるスローガンを喧伝し始めた習近平政権。しかし中国共産党が言うところの「民主」とは、私たちが用いるものとは概念自体が異なるようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国当局がどのような意味合いで「民主」という言葉を使っているかを、「馬鹿」の語源となった故事を引きつつ紹介。さらに彼らが何をもって「人民」と規定しているかについても解説しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年12月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

「馬鹿」の語源になった故事と瓜二つな「中国的民主」の噴飯

アメリカに加え、オーストラリア、イギリスも北京五輪の外交ボイコットを表明するなど、人権問題を理由とした五輪の外交ボイコットの輪が広がっています。

民主主義においてもっとも重要なのが人権であることは言うまでもありません。人権が守られなくては主権在民=民主は成り立たないからです。アメリカやオーストラリアの外交ボイコットは、中国が民主と人権を踏みにじっているからにほかなりません。

ところが中国は最近、「中国的民主」なるものをさかんに主張し、12月4日には「中国的民主」なる白書を発表しました。その内容は新華網などでも見ることができます。

中国的民主

しかも、ことあるごとに「中国こそ世界で最も民主的な国である」と主張しており、世界から失笑を買っています。

じつは、中国が「民主政治」を掲げて中国共産党の正当性を訴えたのは、これが初めてではありません。2005年10月に「中国の民主政治建設」という白書を発表したのが最初でした。今回発表した「中国的民主」の白書も、基本的にはこれを踏襲したものにすぎません。

中国の民主政治建設

言うまでもなく、「中国的民主」には、1989年6月4日の天安門事件における人民の民主化要求のことも、劉暁波が中国共産党に逮捕されるきっかけとなった民主化要求「08憲章」のことも書かれていません。都合の悪いことは完全になかったことにされています。

私は、これまでの著書で、中国の本質を読み解くには常に中国の主張の逆を考えればいいと述べてきました。つまり中国共産党が「中国的民主」を発表したということは、いかに中国が独裁国家であるかを証明している、ということにほかならないのです。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 全世界が失笑。あの習近平政権が主張した「中国的民主」につける薬
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け