岸田首相、森友改ざん「真摯に向き合う」 統計不祥事、1カ月内に調査―参院予算委

2021.12.16
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by 時事通信


参院予算委員会で答弁する岸田文雄首相=16日午前、国会内

参院予算委員会で答弁する岸田文雄首相=16日午前、国会内

  • 参院予算委員会で国土交通省の建設工事統計データ書き換えについて陳謝する斉藤鉄夫国交相=16日午前、国会内

 参院予算委員会は16日午前、首相と全閣僚が出席し、2021年度補正予算案の基本的質疑を行った。首相は、学校法人森友学園関連の財務省公文書改ざんをめぐる訴訟で国が同省近畿財務局職員赤木俊夫さんの自殺について賠償責任を認めたことを受け、遺族が求めている情報公開に関する別の訴訟でも丁寧に対応することと、説明責任を果たすことを財務省に指示したと明らかにし、「真摯(しんし)に向き合っていきたい」と述べた。
 立憲民主党の白真勲氏への答弁。首相はまた、「赤木さんが亡くなったこと、ご遺族の気持ちを考えると痛恨の極みだ。心よりお悔やみを申し上げる」と語った。
 白氏は国土交通省が建設業の毎月の受注動向を示す「建設工事受注動態統計」のデータを書き換えていた問題も追及。首相は元検事らで構成する第三者委員会を設置し、1カ月以内に経緯や原因などの調査結果をまとめるよう国交相に指示したと説明した。その上で「再発を防止し、信頼回復につなげなければならない」と強調した。
 白氏は、国交省が会計検査院の指摘を受けた後も書き換えを続けていたと問題視。斉藤国交相は19年11月ごろに検査院から改善を求められ、それを踏まえて20年1月に集計方法を見直したが、21年3月までは従来の作業も並行していたと説明。理由として「統計学的な必要性」を挙げ、「19年度と20年度の間に大きな断絶があれば比較できなくなる」と釈明した。
 首相はこの経緯について「隠蔽(いんぺい)のために行ったのではない」と述べた。立民の氏への答弁。
 同統計が国内総生産(GDP)の推計などに活用されていることに関しては、経済財政担当相が「間接的にGDP統計にも影響が及ぶ可能性はあるが、現時点では軽微と考えている」と述べた。(2021/12/16-11:26)

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