11月下旬にガソリン購入 谷本容疑者、放火後も逃走せず―大阪ビル火災・府警

2021.12.20
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by 時事通信


火災があったビル(右から2棟目)とその周辺=17日午後、大阪市北区

火災があったビル(右から2棟目)とその周辺=17日午後、大阪市北区

 大阪市北区曽根崎新地の雑居ビルで24人が死亡した放火殺人事件で、火元のクリニックの患者、谷本盛雄容疑者(61)が11月下旬、ガソリンスタンドでガソリンを購入していたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。同容疑者はクリニック到着後1~2分で放火し、炎上後も逃走せずに、クリニックの中に入ろうとするような様子が院内の防犯カメラに映っていた。
 谷本容疑者はガソリンの可能性がある液体やライター、催涙スプレーなどを準備していたとみられる。自転車でビルに到着後、すぐに放火していることから、大阪府警天満署捜査本部は綿密に計画していたとみて調べている。
 捜査関係者などによると、谷本容疑者は11月下旬、給油スタッフのいるガソリンスタンドを訪れ、ガソリンを購入していたことが確認されたという。
 火元となった4階のクリニックは、エレベーターを降りるとすぐに受付で、谷本容疑者は1人で来院。受付付近で紙袋二つを床に置いて蹴り倒し、漏れ出た液体にかがみ込んで火を付ける様子が、院内の防犯カメラに映っていた。現場からは焼けたライターが見つかり、油の成分も検出された。
 ビル火災の約30分前には、現場から西に約3.5キロ離れた同容疑者が住んでいたとみられる住宅(同市西淀川区)でぼやが発生。放火の疑いがあるという。
 府警は、谷本容疑者がこの住宅からビル火災現場まで自転車で移動するのを、周辺の防犯カメラなどで確認。ビル近くに止められていた同容疑者の自転車も押収した。
 府警は犠牲者のうち14人の身元を特定しており、残る10人の特定を急いでいる。(2021/12/20-13:58)

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