あのユニクロが国内ECのパートナーに「アンドモール」を選んだ理由

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昨年11月8日、三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall(アンドモール)」にユニクロが参加。自社のオンラインサイトの認知度も高いユニクロが、他社の運営するECサイトに初めて出店し話題となりました。今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では、著者の理央さんが、ユニクロのメリットと狙いを解説。ネット通販があって当たり前になった今、どこででも探せ、買え、受け取れる「オムニチャネル」を合理的に推進する姿勢を評価しています。

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なぜ、ユニクロは国内ECのパートナーをアンドモールにしたのか?

ユニクロが、国内で初めて自社のホームページ以外で、インターネット通販を始めたことが話題になりました。組んだ通販サイトは、三井不動産が運営する、三井ショッピングモールの公式通販サイトの、アンドモールです。

三井ショッピングモールというと、アウトレットモールやららぽーとのような、リアル店舗のある巨大ショッピングモールを運営しています。また、六本木や日比谷にある、ミッドタウンも、三井不動産がタウンマネジメント、のコンセプトで開発した、リアルな「場」です。

そのアンドモールの特徴の1つは、ららぽーとや、アウトレットの各店舗にある、「在庫を発送する」という点です。リアル店舗を持っている企業が、インターネット通販をやる場合、通常は別な場所に倉庫を持ち、そこに在庫を積むのですが、その必要がないのです。

ユニクロのような製造と販売が一体になっているSPA、というビジネスモデルの業態の企業にとっては、通販用の別在庫を持ってしまうと、売れなかった時のリスクがでます。しかし、この業態であれば、そのリスクを減らせるので、ありがたいネット通販の形と言えます。

さらに、流通のための倉庫が災害にあって、送れなくなってしまったというような、不確実性も避けられます。また、生産した場所からその倉庫までの、横持ちの運賃のような物流コストも、下げることができるため、効率的なバリューチェーンとも言えます。

さらにユニクロにとってみると、アマゾンや楽天のような巨大なプラットフォーム上で販売をすると、自社でお客様のリストを管理することができない上に、ブラットフォーマー側への手数料がコストとしてかかってしまいます。たとえば、アマゾンで売る場合はアマゾンの倉庫への物流費がかかるし、楽天の場合は、自社で別途発送するのでその管理をしなければいけません。

ただ、自社の通販サイトだけでは新しい顧客を得ることが限られてしまうので、他社のサイトからの顧客獲得や、店舗で買えなかった分をそのままネットで買ってもらえるような仕組みを作りたかったはずです。

このような中で、今回のこのアンドモールの仕組みを使うことによって、ららぽーとなどに入っている、自社の店舗から、そのまま直送ができたりするという仕組みは、ユニクロにとってやってみる価値があったのだといえます。

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