南太平洋・トンガ沖にある海底火山の大規模噴火が原因で発生した津波で、大騒ぎとなった先週末の日本列島だが、そんな最中に宮城県にある「びっくりドンキー 多賀城店」が取った対応がとても素晴らしいと、ネット上で称賛の声があがっている。
びっくりドンキー多賀城店様
完食してしまったのにも関わらず食事代金は本日要らないのでと避難指示を優先していました。
私達は代金お支払いすると言いましたが、とにかく避難して下さいと人命を優先する従業員さんには頭が下がります。
感謝しかありません。
また利用してお礼を伝えます。— まな@仙台鷲 (@ron_lily0126) January 15, 2022
16日深夜に太平洋沿岸に「津波注意報が発令されたのを受け、「びっくりドンキー 多賀城店」が所在する地区には、行政から「避難指示」が出される事態に。その際、店内には深夜の食事を楽しむ客が何人かいたようだが、同店では「食事代金は本日要らない」「とにかく避難して下さい」と、何よりも人命を優先する対応を取ったという。
そのことがSNS上で紹介されるやいなや、「店員さんも怖いはずやのに…」「出来るようで出来ない事だと思います」「企業の防災の鑑」などと、店側が取ったとっさの判断と行動を褒めたたえる声が多くあがったのだ。
店員さんも怖いはずやのに…尊敬 https://t.co/oZT0uN0VwL
— かちょさん (@maimaimair930) January 16, 2022
出来るようで出来ない事だと思います。びっくりドンキー様、ありがとうございます
— miechan25 (@miechan251) January 16, 2022
企業の防災の鑑ですね。 https://t.co/rfRC9oatfQ
— ゑんたけ@とりたてや (@rural_japan) January 16, 2022
活かされた東日本大震災の教訓
今回取沙汰されている「びっくりドンキー 多賀城店」だが、その場所を地図で確認してみると、フェリーターミナルがある仙台港とは、およそ1㎞ほどしか離れていない位置にある。
だとすれば、先の東日本大震災の際には津波が到達したのではと想像されるところだが、まさにその通りで、当時は店の辺りにまで津波の濁流が押し寄せ、人はもとよりクルマなども押し流されてしまうなどの大きな被害が発生したそうなのだ。
場所分からない人に説明すると、震災時の多賀城店近くこんなんだからねぇ…(右側にびっくりドンキーの看板がある) https://t.co/ZXD7ZBakD9 pic.twitter.com/UtMWPIP4bn
— もっちゃん@まじゅるふらっしゅ (@Sky80sx) January 16, 2022
びっくりドンキー多賀城店もなかなか悲惨な状況から復旧したんだろうなhttps://t.co/OOAMR8cmSO pic.twitter.com/qdklGKeTYd
— ⭐️⭐️♂️ (@PenyandVagy) January 16, 2022
びっくりドンキー多賀城店がある
国道45号線は
東日本大震災の時、津波が来て
ちょうどその手前で信号待ちしてた友人が車ごと流されたんだよねその友人はなんとか車の上によじ登り
びしょ濡れで助かったんだけどつづく
— れのれらTV『3姉妹家族』❣️❣️❣️ (@RenoReraTV) January 17, 2022
この17日に発生から27年となった阪神・淡路大震災では、近年その記憶の“風化”が大いに懸念されているところ。しかし東日本大震災は発生からまだ10年、さらに未曾有の津波被害が発生してしまっただけに、特に現地でそれを体験した方々にとってはその記憶はいまだ鮮明で、それゆえに今回のような緊張感溢れる対応に繋がったとも言えそうである。
神奈川県では「エリアメール20回」配信の不具合
このように「びっくりドンキー 多賀城店」への称賛の声がSNS上で鳴りやまない反面で、今回の津波への対応で大いに評価を落とす格好となっているのが、神奈川県の黒岩祐治知事だ。
今回の津波警報あるいは注意報の発令にあたって、該当地域に住む人々には携帯電話向けの緊急速報メール(エリアメール)が配信されたわけだが、なぜか神奈川県民には16日未明から早朝にかけて、最大で計20回配信されていたとのこと。
あの、ただでさえ不気味なエリアメールを、深夜に何度も送り付けられたとあって、県民からは「うるさい」「眠れなかった」「これだけ送られると、慣れちゃって大事な時に反応しなくなる」などの苦情が殺到。ちなみに原因は、配信システムを委託している業者によるプログラム設定ミスだったようだ。
このことを受けて、黒岩知事は自身のTwitter上で説明と謝罪に追われることになったのだが、その一連のツイートの最後には何故か「私自身も寝不足です」との一文が。
津波注意報の誤送信。委託業者の設定作業ミスが原因であっても、もちろん県の責任です。業者に責任を押し付ける気はありません。ですから、私が謝罪しています。私自身も寝不足です。
— 黒岩祐治 (@kuroiwayuji) January 16, 2022
これに対してSNS上では「リーダーとして一番発してはいけないコメント」「あなたは寝なくて対応する立場では?」「雪印の社長のコメントを思い出した」などと、まさかの“寝不足アピール”に批判の声が渦巻いているというのだ。
黒岩知事がまさかの“寝不足アピール”に至った背景とは
まさに“蛇足中の蛇足”といった一言で、神奈川県民を中心にさらなる怒りを買う格好となった黒岩知事だが、混乱の最中だったとはいえ何故このような不用意な発言をしてしまったのか。その背景として一部で取沙汰されているのが、黒岩知事“都内在住”説だ。
神奈川県は、全国全ての津波情報が発せられたり、更新する度に津波の警報音が鳴る。夜中からずっと鳴り通し。心臓に悪いし、眠れない。
黒岩知事変えろ。
しかも黒岩知事は、都内に住んでるから関係ないか。— ガリレオ仕業人 (@MiedK2uSBXGrnDn) January 15, 2022
神奈川県だけ12回もエリアメールが来るのは異常。
エリアメールがお好きな黒岩知事もさすがにこれはおかしい!と思う頃ではないか?と思ったのですが、よく考えたら黒岩知事は都内にお住まいなのでこんなメールは来てないんですね。— 蟹 (@kanipmako) January 15, 2022
神奈川
「津波だいじょぶ?
心配でエリアメール20回鳴らしちゃった♡」
黒岩県知事
「気付かなくてごめん
週末だから渋谷に帰ってる」
神奈川
「ほんとは都民だったんだ…裏切り者…今夜は寝かせないから…」という悪夢を妄想した pic.twitter.com/b3oHUV2GZm
— 布袋葵 (@NoLaugh0NoLife) January 16, 2022
フジテレビの社員として様々な報道番組のキャスターを務め、そこから神奈川県知事に転じた黒岩知事だが、その出生地は兵庫県神戸市。その後、超名門校として知られる灘中学・高校を経て、早稲田大学政治経済学部に入学したという経歴が示すように、神奈川県とはこれといった地縁のない人物である。
それだけに、就任当時から多くの県民から噂されていた“都内在住”説だが、実際過去にそのことを報道記者に問われた黒岩知事は、「危機管理上問題ない」とその事実を認めている。なんでも、土日や祝日はほとんど渋谷区にある自宅で過ごしているとのことだが、そこには知事公舎と同様に衛星電話を完備しており、さらに自宅の渋谷から神奈川県庁のある横浜市内までの約27㎞を走って登庁する訓練を行なうなどして、有事に備えているというのだ。
このように黒岩知事の“都内在住”説は、決して“疑惑”などではなく“事実”のようなのだが、であれば先の週末も都内の自宅にいて、エリアメールの“連続配信”被害には遭っていないはず。にもかかわらず「私自身も寝不足です」と、あたかも自分もエリアメールで寝不足だといった感じにも取れる発言をしたのは、“神奈川県民の苦難は自分の苦難”といったノリの、いわゆる“県民に寄り添う姿勢”を演出したかったから、とも邪推できそうである。
要は“都民知事”との誹りを払拭せんがための、ここぞとばかりの“県民アピール”が裏目に出てしまったというのが、一部で噂される「私自身も寝不足です」発言の真相なのだが、もしもそうだとすれば発想がセコ過ぎるのもいいところ。
ちなみに黒岩知事のツイートは、16日昼過ぎに投稿された上記の「私自身も寝不足です」で今のところ途絶えているが、果たしてどういった意図によるものだったのか。ちょっと聞いてみたい気もするが、神奈川県内も新型コロナの感染者が急増中で、まん延防止等重点措置の適用も時間の問題という状況もあって、このままうやむやに終わる可能性もありそうだ。
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