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保健所が白旗。「濃厚接触者へは感染者本人が連絡を」東京都ほか各地で方針転換、ここぞという時に“COCOA”はやはり役立たず

新型コロナの感染者が再び急増するなか、東京都では濃厚接触者への連絡に関し、これまでの保健所からではなく、感染者本人が直接連絡をする方式に変更したと報じられ、SNS上では動揺の声が広がっている。

報道によると、東京都は19日夜に都内の保健所に対し、感染者の濃厚接触者対応について濃厚接触者に感染者本人から直接連絡してもらうよう通知。今後、濃厚接触者を特定する調査は、高齢者施設などに実質的に絞るという。

同様の対応変更が全国にも波及か

新型コロナの変異株“オミクロン株”の感染急拡大が一足先に進んでいた沖縄県では、今月10日の段階で上記のような対応に切り替えたと報じられていた濃厚接触者への連絡。

今回報じられた東京都にくわえて、京都府でも同様の対応を取ると20日に報じられており、このまま感染拡大が続けば、この流れが全国に波及する可能性も大いにありえそうだ。

今回のような処置が相次いでいる背景にあるのは、全国の保健所で発生している業務の“パンク”状態。一部の自治体では、感染拡大の影響で一時閉館となった図書館などの施設に務める職員を、保健所の業務に回すことも行っているようだが、それでも人手はまったく足りてないようで、SNS上にはそんな“窮状”を訴える関係者からのツイートも多く見られる状況だ。

それだけに致し方ない処置ともいえる今回の件だが、とはいえコロナに感染した人が「あなたは濃厚接触者で」と自ら連絡するというのも、あまり現実味のない話のように聞こえる。

そもそも何をもって濃厚接触であると定義するのか、これといった明確な基準も明示されているわけでなく、また感染者が自らが職場などに「責められそう」あるいは「迷惑かけそう」という思いから、連絡を思いとどまるといったケースが多発することも想定できそう。

そのいっぽうで、逆に濃厚接触の可能性を疑われる人や場所に片っ端から連絡しまくる人も、中には存在しそうで、それはそれで社会に大混乱を招きそうといった見方も。今回の連絡方法の変更によって、経路不明の感染が続出する形になるのか、あるいは濃厚接触者が過剰に増える事態になるのか、どっちの可能性も大いに考えられそうな情勢だ。

全くのムダと改めて証明された「COCOA」

いっぽう、今回の報道を受けて多くあがっているのが「COCOAはどうなった?」という声だ。

厚生労働省が提供している新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」だが、登場当初からその仕組みや効果に関して疑問の声が多くあがっていたうえに、昨年2月には最も重要な機能である“接触通知”が、一部の端末において約4か月に渡って届いていなかったいう不具合が判明。

当時の菅首相も国会で「お粗末なことだ」と不手際を認める答弁をするなど、“役立たず”の烙印を押されて久しい。

【関連】コロナ生還者の実体験。接触確認アプリCOCOA、もう1つの致命的な“不具合”とは?

とはいえ今回のような状況こそ、そんな「COCOA」が活躍する状況ではと確かに思うところだが、利用者サイドはもとより、国や行政もその活用を考えているといった声は全く聞こえてこない。開発費用は約4億円とべらぼうに高額ではないものの、それらの血税投入が全くの無駄だったことが、改めて証明された格好だ。

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