文在寅の後継をワンチームで倒す。佳境を迎えた韓国大統領選の今

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先日掲載の「大統領選も韓流ドラマ?『雨降って地固まる』を地でゆく韓国野党和解劇」でもお伝えしたとおり、党内トラブルも解決し一枚岩となって大統領選に臨んでいる韓国の野党「国民の力」。その候補者である尹錫悦(ユン・ソンヨル)氏が先日、北朝鮮との関係について踏み込んだ発言をしたことが現地で話題となっているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、そんな尹候補の対北政策発言を取り上げるとともに、彼の素顔を伝えるエピソードを紹介しています。

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尹錫悦は正直な人

「国民の力」党は1月26日、汝矣島(ヨイド)の中小企業中央会館で必勝決意大会を開いた。この場で尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領選候補は、「国民の力」議員と院外党協委員長らに向かって「忘れてはならないことがある」とし「民主党のほうに心を決めておられる方も多い」と話した。各種調査で依然として政権交代を望む世論より現在の自分の支持率が低く出ている点を意識した発言だ。続いて尹候補は「(国民は)われわれがさらに低い姿勢でものごとを行ない、国民の生活をもっと豊かにすることを願っている」とし「われわれがそうすべきではないか」と強調し、「『ユン・ソンヨルは正直な人』『一つの口で別のことは言わない』というスローガンを全国各地にいらっしゃる国民に伝えてください」と訴えた。

「国民の力」は3・9大統領選挙で正月連休(韓国は旧正月でやる。今週週末から来月2月2日までが連休となる)が情勢変化の変曲点になるとみている。権寧世(クォン・ヨンセ)選挙対策本部長は「(これに先立ち)今回の選挙は上下動が非常に激しい選挙戦となっている。ようやくその浮き沈みが終わりつつある」とし「旧正月の連休を最後にある程度2強候補の位置が固まりそうだが、旧正月までの数日がとても重要だ」とした。選対本部関係者は「旧正月の連休が終われば大統領選挙が1か月後に迫ってくる」とし「1か月前の支持率が大統領選挙まで維持されるとみて、その前まで終盤のスパートをかけなければならないという意味」と説明した。

「国民の力」イ・ジュンソク代表(若い代表)もこの日、必勝決意大会に出席し「尹候補が党を率いる指導者として毎時、分秒ごとに新しい姿で国民の共感を得ている」と尹候補を激励。年明けに繰り広げられた尹候補との葛藤(内紛)については「前回の選挙過程であった党内葛藤、誤解を招きかねない状況に対して申し訳ない」とし、決して謝ることをしないといわれるイ・ジュンソク氏が頭を下げる場面もあった。

尹候補はこの日、党の大統領選候補党内選挙でライバルだった崔宰亨(チェ・ジェヒョン)前監査院長を選挙対策委員会常任顧問に任命し、「ワンチーム」構成にも拍車をかけている。柳承敏(ユ・スンミン)前議員の党内選挙陣営の職能本部長を務めた柳義東(ユ・ウィドン)議員も、現在空席の党政策委議長に内定したという。尹候補はこの日、記者団に対し「3・9再補欠選挙の戦略公認要求」問題で対立した洪準杓議員について、「党の重鎮議員であるため、いつも(会う可能性が)開かれている」と述べた。

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