観光船運航会社を捜索 業務上過失致死容疑―知床沖事故で強制捜査・海保

2022.05.02
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by 時事通信


観光船の運航会社「知床遊覧船」へ家宅捜索に入る海上保安庁職員=2日午前、北海道斜里町

観光船の運航会社「知床遊覧船」へ家宅捜索に入る海上保安庁職員=2日午前、北海道斜里町

 北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は2日、業務上過失致死容疑で、斜里町の運航会社「知床遊覧船」事務所や同社社長宅など関係先を家宅捜索した。同容疑や業務上過失往来危険容疑などでの捜査を本格化させ、押収資料の分析などを通じて過失責任の有無の解明を進める。
 事故は4月23日に発生。14人の死亡が確認されており、海保は残る12人の捜索を急いでいる。
 関係者によると、捜索容疑の対象者は同社の桂田精一社長(58)と、行方不明になっている豊田徳幸船長(54)の2人。
 桂田社長は事故当日、斜里町に強風・波浪注意報が出ていたことを把握しながら、豊田船長と打ち合わせた上で、海が荒れたら引き返す「条件付き運航」で出航を決めたと説明している。
 同社の事務所ではカズワンとの交信に必要な無線アンテナが壊れていた。陸上との連絡手段として国に申請していた船長の携帯電話は事故当時、通信エリア外だった可能性もあり、海保は出航を決めた判断が妥当だったかなどを調べる方針。
 斜里町ウトロ東の同社事務所には2日午前9時45分ごろ、段ボール箱などを手にした海保職員ら数人が入った。(2022/05/02-12:31)

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