そろそろ夏の選挙が話題にあがる頃ですが、具体的な政策などを見て投票先を決める前に知っておくべきこと、それは私たち日本国民が支払っている「税金」の使われ方です。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、夏の参院選を前に、有権者が知っておくべき「税の無駄遣い」の実態を喝破しています。
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プロフィール:大村大次郎(おおむら・おおじろう)
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。
あなたの想像より何倍もひどい、日本の税金無駄遣い
筆者は元国税調査官なのですが、その国税調査官の目から日本の政治を見た場合、「日本人は、政治家や官僚のことを信じすぎている」といえます。
日本のメディアや世論でも、政治家や官僚のことをあれこれ叩くこともあります。政官と大企業や業界との癒着、贈収賄、不正な金稼ぎ、その他もろもろのスキャンダルは、いつもマスコミやネットで話題になっています。
が、日本人の多くはこう思っているはずです。
「なんやかんや言っても、基本は国民のためにちゃんとやってくれているはず」と。
筆者も、国税に入る前はそう思っていました。が、国税に入ってから、その考えは完全に崩壊しました。
「税」という国の根幹を担う業務が、これほどいい加減で、これほど杜撰で、これほど不公平に運営されているとは……この事実を知ったとき、筆者は愕然としました。
日本の中間層以下では、この20〜30年間、消費税の増税、社会保険料の段階的な引き上げ、介護保険の創設などで、税や社会保険料の負担が激増しています。
平均的なサラリーマンは、税金、社会保険料、消費税の負担率を合わせると、だいたい収入の4割程度を取られています。これは江戸時代の年貢よりも高い水準であり、もちろん世界的にも非常に高い負担です。
その一方で、高額所得者や富裕層の税金は、この30年で20%以上も下げられているのです。
しかもこの税金、徴収の仕方だけではなく、使い方においてもひどいものです。今、日本の税金は、「多少無駄遣いされている」というような生易しい状況ではありません。税金の大半が、「税金ビジネス」による「汚い利権」によって浪費されているのです。国民のためにはほとんど使われていません。