プーチンが死ぬまで続く。ロシアの核使用で始まる“戦争の時代”

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第2次世界大戦終了後80年近くの長きにわたり平和を謳歌してきた我が国ですが、戦時の生活を覚悟しなければならない時に来ているようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ロシアの核兵器使用による世界規模の戦争勃発が、もはや避けられない状況にあることを解説。さらにこの戦争における日本の役割を記すとともに、大戦後に訪れるであろう世界の姿についての考察も試みています。

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世界戦争を覚悟する ウクライナ戦争の推移

ウクライナ戦争が、プーチンの覚悟で世界戦争になる方向である。ロシアの核攻撃になると世界戦争になる。その戦争と結果を検討する。

ウクライナ東部での戦争は、膠着状態である。徐々に重火器がウ軍に配備されて、ロシア軍は押されている。ロシア領内の石油貯蔵施設や鉄道、兵器庫へのドローン爆撃やミサイル攻撃は頻繁になっていた。

そして、いよいよウクライナ戦車隊が、ハルキウから追撃でクルスク方面のロシア本土へ攻撃を強化している。このことで、ロシア軍は防衛ラインを国内に構築する必要になってきた。反撃開始である。

当初ロシア領内攻撃の多くは、バイラクタルTB2ドローンでの攻撃であり、このため、3機がロシア領内で撃墜されている。ドローンとして自爆スイッチブレードやフェニックス・ゴーストなどがウ軍には供与されるので、ウクライナ領内のロシア軍攻撃はそちらに任せて、TB2は足が長く、レーダー捕捉されにくいので、ロシア領内の攻撃に使うようである。

前回英情報筋は、ウクライナ側の弱点を「大型兵器の不足」と指摘したが、米国の榴弾砲の半分が実戦配備されたようである。重火器も徐々にウ軍に供給されてきた。

このため、ロシア軍の被害が増えているようである。ロシア軍としては、西側諸国からの重火器援助を止める必要になっている。このため、モルドバ国内のロシア人の多いトランスニストリア地域からウクライナ西部に入り、ウクライナ東部への支援物資輸送を止めたいようである。

このためには、その地域にロシア軍が行く必要があり、ドニエストル川を上流に上るルートを侵略する必要があり、オデッサを迂回する可能性がある。またはルーマニアのブルト川河口付近での上陸作戦になるが、ルーマニアはNATO加盟国であり、これをすると、NATO軍との激突になる。

このため、ドニエストル川河口はウ軍の弱い地域でもあるので、上陸作戦も可能と見ている可能性もある。そして、モルドバ国内のトランスニストル共和国では、兵役年齢のすべての男性が同国領を離れることを禁止した。ということは本気だ。

それに対して、ゼレンスキー大統領は、「私たちは向こうの能力を理解しているし、ウクライナ軍はこれへの準備ができており、恐れていない」と述べた。上陸作戦に対応する準備があるということだ。もしかすると、準備できていないルーマニアでの上陸作戦もありえる。

そして、モルドバは、欧州で一番貧しい国であり、今までは対ロシア制裁にも加わらないで、ロシアを刺激しないようにしていたが、ロシアのモルドバ侵攻計画が出て、ウクライナへの軍事支援やロシア制裁に舵を切った。ロシアは、また1つ敵を増やしたようである。

もう1つが、プーチンは核戦争リスクに言及して、NATO諸国の援助をけん制している。しかし、NATO諸国は支援を止めるはずもなく、ロシアは、本気で核ミサイルを打つ可能性が出てきている。弾薬が少なくなり、稼働する戦闘機の枯渇もあり、このままでは、戦争に負ける可能性が出てきたことが大きい。

ロシア軍は5月9日の対独戦勝記念日に向けて猛烈な攻撃したが、ウ軍の重火器による反撃で、進めない状況である。目標としたドンバス地域の支配地拡大は、全然できないでいる。南部ヘルソンとマリウポリの制圧しかできていない。

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