ビジネスシーンであれプライベートであれ、日々磨いておけば大きな武器となってくれるコミュニケーション能力。とは言えそうそう簡単に身につくものではなく、もともと会話が苦手というタイプにとっては習得ハードルが高いスキルでもあります。そんな方のためにコミュニケーション能力の高め方を伝授してくださるのは、ベストセラー『M 愛すべき人がいて』や『虹色のチョーク』などの著書として知られる、人気ノンフィクション作家の小松成美さん。小松さんは自身のメルマガ『小松成美の伝え方の教科書-ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術』で今回、より良い人間関係を構築するために必要な考え方を解説するとともに、コミュ力を高める具体的な方法をレクチャーしています。
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すぐに実践できる!コミュニケーション力を高める、ある“5つの方法”とは?
深い人の心の中にある、普段言葉にしないストーリーを聞くということ、また、自ら話すということ、それはチームやコミュニティにおいて本当に大きな絆になります。尊敬や親愛の情や、もっとお互いを深く知り、もっと思いを語り合いたいという、人間関係の未来を開くことになるのです。なかなか聞くことができない思いを丁寧に吸い上げ、言葉に発してもらうという技術を、私の過去のインタビューの例を交えながらお伝えしたいと思います。
前提:自分のことを100%分かってくれる人はいない!
「人とつながる」とは、いったいどのようなことでしょう。
すべてをわかりあい、深刻な悩みを打ち明けて、人生を語り合う関係を結ぶことがいつもできるとは、私には思えません。世界には60億以上の人間がいます。でも、自分という人間は一人。60数億人それぞれに個性があって、それぞれが違う人間です。だから、何でもわかりあえる人が一人でもいれば、それは奇跡だと言っても過言ではありません。
もちろん、家族や兄弟、恋人、親友と呼べる関係の人は、それ以外の人たちよりも確実に親しい関係を築けているといえるでしょう。しかし、それでも100%相手のことを理解し、自分のことを理解してもらえているとはいえないはずです。少なくとも私には、自分のことを100%わかってくれる人はいませんし、100%わかっている、という人もいません。
私はインタビュアーという仕事柄、たくさんの人に出会います。これまでのメルマガや今回のつぶやきでもお話ししましたように、取材を通じて心を通い合わせた人たちがいます。だからまわりの人からは、友人がたくさんいると思われているのですが、実際、友達と呼べる存在は、非常に少ないのです。また、友達であっても、100%わかりあえているわけではないと思っています。
最近は安易に「親友」という言葉が使われているようですが、真の意味での親友に、死ぬまでに一人出会えれば、その人は正に幸運だといえます。逆にいえば、だからこそ、わかりあうための手段である「話す」「聞く」という行為は価値と意味があるのではないでしょうか。
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