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大手銀行「外債含み損1.7兆円」が円相場のさらなる波乱要因に。地銀はすでに耐えきれずに米債売り示現か=今市太郎

日本の大手銀行グループ5社の2022年3月期決算がすべて開示され、純利益の合計は前期比31%増の2兆6,470億円となりました。その一方で、年度末時点での外国債の含み損は5行合計で1兆7,500億円以上にのぼっています。メガバンクはさておき、経営体力の乏しい地銀勢は、保有米債の価格が大幅下落・金利上昇という局面ですでに耐えきれずに、かなりの額を売り始めているという話も伝わってくるところ。これが進むと、本邦地銀の売りオペレーション起因で米債金利はさらに上昇し、妙な形でドル円の円安をエスカレートさせかねません。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年5月18日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。

メガバンクは増益も、外国債の含み損がとんでもない金額に

日本のメガバンク5行の2022年3月期決算が5月16日にすべて開示されました。

連結純利益の合計は前期比31%増の2兆6,470億円となり、4社が増益で、コロナ後の事業再開に伴う本邦企業の資金需要がしっかりと収益に繋がったことが窺われる内容となっています。

その一方で、年度末時点での米国債を中心とした外国債の含み損は5行合計で1兆7,500億円以上にのぼりました。

4月以降、さらに米債金利は上昇していますから、リアルな含み損はこれを上回っていることが容易に想像できる状況です。

この含み損は、売却しない限りは確定損失にはなりません。

体力のあるメガバンクはそのまま保有することになるのでしょうが、これ以上の損失が出るとそもそもの連結利益自体を吹っ飛ばしかねないだけに、ここからどう対応するのかが大きな問題になりそうな状況です。

すでに体力のない地銀は米国債の「売り」にまわっているとの噂も

メガバンクはさておき、経営体力の乏しい日本の地銀勢は、保有米債の価格が大幅下落・金利上昇という局面ですでに耐えきれずに、かなりの額を売り始めているという話も伝わってくるところです。

これが進むと、本邦地銀の売りオペレーション起因で米債金利はさらに上昇し、妙な形でドル円の円安をサポート(エスカレート)させかねません。

それだけに、実際にどれだけの売りが出ているのかが気になるところです。

Next: 耐えきれなくなった地銀の米債売りが円相場の波乱要因に?

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