押し付け、放置、そして差別。現総理大臣が沖縄復帰式典で吐いた大嘘

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5月15日に本土復帰50年を迎えたものの、未だ在日米軍基地の70%が集中する沖縄。しかし岸田首相は復帰50周年記念式典の式辞で基地問題にはほとんど触れることがなかったばかりか、「嘘」と受け取られても止むを得ない内容を口にしたといいます。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、首相の式辞を具体的に引きつつ、その事実との乖離ぶりを指摘。さらに返還される米軍施設の使用用途について、地権者に相談なく決定した政権の姿勢を批判的に記しています。

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「おとぼけメガネおじさん」岸田首相が露わし始めた馬脚

沖縄にはいろいろな思いの当事者がいますので、短絡的に「記念すべき」と言うことはできませんが、5月15日、沖縄は本土復帰50年を迎え、午後2時から東京と沖縄の2会場で、同時進行の記念式典が行なわれました。天皇、皇后両陛下がオンラインで出席され、沖縄会場には岸田文雄首相が参列しました。そして、岸田首相、玉城デニー知事の式辞に続き、天皇陛下がお言葉を述べられました。

ご覧になった人も多いと思いますが、玉城知事の式辞も、天皇陛下のお言葉も、その後の県民代表と県民若者代表のスピーチも、とても素晴らしかったです。しかし、あたしは、あまりにも酷すぎる最初の岸田首相の式辞への怒りを引きずったまま画面を見ていたため、他の式辞などをじっくりと味わうことができず、後から映像を見直しました。

もはや「首相」や「総理」ではなく「おとぼけメガネおじさん」とでも呼びたくなってしまう岸田首相ですが、今回の式辞では、本土復帰50年を迎えても今もなお全国の7割以上が集中する基地問題には、ほとんど触れませんでした。そして、そんな岸田首相が何を述べたのかと言うと、「権藤、権藤、雨、権藤」や、吉田照美さんのキャッチフレーズ「物販、物販、また物販」を彷彿とさせるような「経済、経済、また経済」でした。

岸田首相は、まず「この50年、沖縄は着実に発展の歩みを進め、政府は5次にわたる振興計画や各種の特別措置等を講じ、その歩みを後押ししてまいりました」などと大嘘を抜かし、沖縄の人たちをポカーンとさせました。自民党政権はこの50年、沖縄にばかり米軍基地を押し付け、その基地に所属する米兵や軍属がどれほどレイプや殺人や強盗などの凶悪犯罪を繰り返しても、米国有利の「日米地位協定」の見直しなど一度も進めず、沖縄を差別し続けて来たじゃないですか。

そして、県が辺野古の新基地建設に反対していることへの嫌がらせとして、ここ数年、ずっと沖縄への振興予算を減額し続けて来たじゃないですか。一体どの口で「その歩みを後押ししてまいりました」などと抜かせるのか、さすがは「おとぼけメガネおじさん」です。その上、こんなことまで抜かしたのです。

「開業率が全国トップの沖縄は、創業意欲にあふれる地です。地元や民間の熱意により既に成果が出つつある取り組みをさらに後押しするため、科学技術スタートアップの拠点構築や支援を推進・強化します」

「沖縄のさらなる発展の鍵は、未来を担う子どもたちにあります。引き続き、子どもの貧困対策を沖縄振興の重要課題の一つと位置付け、着実に取り組みを進めます」

「引き続き、基地負担軽減に全力で取り組んでまいります」

沖縄は、開業率だけでなく廃業率も高いのに、そこには触れず、これまで何もやって来なかったのに「さらに後押しするため」などと抜かして、あたかも自民党政権が沖縄の発展を支えて来たかのような言い回し。沖縄の子どもの貧困率が全国平均の2倍となってしまったのは、これまで自民党政権が沖縄の貧困問題をホッタラカシにして来たからなのに、「引き続き~着実に取り組みを進めます」などと抜かして、いかにもこれまで取り組んで来たかのような大嘘アピール。

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