侮辱罪厳罰化法案が衆院通過 付則に3年後検証明記

2022.05.19
0
by 時事通信

 侮辱罪に懲役刑を導入し、法定刑の上限を引き上げる刑法改正案が19日の衆院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、参院に送付された。今国会で成立する見通し。施行後3年後にインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として効果があるか検証するとした付則を明記した。
 現在は拘留と科料しかない侮辱罪の法定刑に、1年以下の懲役と禁錮、30万円以下の罰金を追加する内容。ネットで中傷を受けたプロレスラー木村花さん=当時(22)=が命を絶った問題をきっかけに厳罰化の機運が高まった。
 野党は委員会審議で、厳罰化が政府による言論弾圧につながると批判。与野党の調整の結果、3年後に表現の自由に対する不当な制約になっていないか、外部有識者を交えて検証する付則が追加された。
 立憲民主党の氏は反対討論で「政府はネット上の誹謗(ひぼう)中傷を行おうとする者に威嚇抑止効果が働くと説明しているが、単なる希望的観測にすぎない」と指摘。「『○○は死ねばいいのに』といった個人の意見や感想は侮辱に当たらないため、いくら厳罰化しても処罰できず、メリットは疑わしい」と訴えた。(2022/05/19-15:52)

print

人気のオススメ記事