プーチンが先か、習近平が先か。独裁者が国民から見捨てられる日

kou20220519
 

強大な権力で大国を意のままに動かす、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席。今や絶対的な独裁者として君臨する両氏ですが、その座から追われる事態は起こりうるのでしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、二人の指導者についてその生い立ちから権力掌握に至るまでの道程を詳しく紹介。さらに彼らの能力や現在の状況を鑑み、「どちらが先に国民から見捨てられるか」を占っています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年5月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【中国】プーチンと習近平、国民から見捨てられるのはどちらが早いか

「ロシアの敗北は時間の問題」中国の元ウクライナ大使が指摘

中国の元ウクライナ大使が、北京で開催された政府系シンクタンクのシンポジウムで、「ロシアの敗北は時間の問題だ」と発言したことが大きな話題となっています。加えて元大使は、プーチン大統領の下での復興は不可能だとも述べたそうです。

中国のネットでは、このことを報じた記事やSNSが次々と削除されていますが、中国側の本音が透けて見え、習近平がプーチンを見放したのではないか、という観測も流れています。

現在、ウクライナ侵攻により西側の反発を招いているロシアですが、プーチン大統領については「重病説」が囁かれており、そのため「気がおかしくなり」ウクライナ侵攻という暴挙に出たという話もあります。

プーチン大統領に白血病説…英紙タイムズが重病の可能性報じる ウクライナ侵攻指示直前に手術

プーチンはこれまでフォーブスが選ぶ「世界で最も影響力のある人物」ランキングで、毎年首位をキープしてきました。冷徹かつ計算高く、大胆な手法で自らの望み通りの結果を手にする様から、強いリーダーシップのある人物として見られてきました。

しかし、ウクライナ侵攻で欧米が結束してロシア制裁に動いたことや、フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を加速させるといった動きは、プーチンの誤算であり、しかもそのような致命的な失敗を招くことは、これまでのプーチンからすればありえないことであり、だからこそ「重病説」が出てくるわけです。

一方、プーチンの盟友である習近平はどうでしょうか。「中国の夢」「中華民族の偉大なる復興」を掲げ、対外的には南シナ海や尖閣諸島に対する侵略を繰り返し、国内的には独裁政治を強化し、ウイグルなど少数民族の弾圧を繰り返しています。しかし、それによって望み通りの結果を得るどころか、逆の結果になることのほうが多いといえるでしょう。

たとえば日本の民主党政権時代の2009年、副主席だった習近平が訪日し、無理やり天皇陛下への謁見をゴリ押ししたことがありませした。また、中国公船による尖閣への領海侵犯を増加させたことにより、日本では中国への警戒感と嫌悪感が高まり、それが自民党の政権復帰と、憲政史上最長の安倍内閣を誕生させることになりました。

また2016年、台湾に民進党の蔡英文政権を誕生させたのも、2014年に馬英九政権が中国と密かに結ぼうとした両岸サービス貿易協定への不信感や習近平の台湾恫喝外交への反発があったことは間違いありません。

2020年に蔡英文が再選されたのも、その前年の1月2日に『台湾同胞に告げる書』発表40周年式典での習近平の演説がきっかけでした。この演説で台湾人に対し、居丈高に一国二制度を迫り、軍事力行使を排除しないと語ったことが台湾人の怒りを買い、支持率低下で再選はおぼつかないとされていた蔡英文の人気復活に大きな貢献をしたのです。

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