まるで日本の学徒出陣。プーチンが少年兵投入まで検討し始めたロシアの惨状

shutterstock_2130012560
 

ウクライナ東部と南部の制圧に焦点を絞ったロシア軍でしたが、東部戦線では押し返され、防御体制へのシフトを余儀なくされているようです。同盟国にも派兵を拒否され兵力不足に陥っているロシア軍は、愛国少年集団「コナルミア」の少年たちを前線に投入する可能性すらあるのだとか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では、日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ロシアの苦戦の状況を詳しく伝え、年内早めの停戦と2回目の「ソ連崩壊」が起こると分析。さらに、アメリカが北欧2カ国のNATO加盟に反対するトルコの除名をNATOに提案する可能性を示唆しています。

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

ウクライナ戦争の転換点

ウクライナ東部での戦争は、ウ軍が反転攻勢に出て、イジュームへの補給ラインの国境の街ボルチャンスクに向けて進軍している。ロシア軍は、撤退で橋を壊しドネツ川に防御線を引いたが、ウ軍はそのドネツ川のルビージュネで渡河に成功して橋頭を築いている。徐々にボルチャンスクに迫っている。

ハルキウから進軍するウ軍のもう1つの目標が、鉄道の要衝であるバラクイヤであり、次にクビャンスクであり、イジュームとボルチャンスクの中間の街である。ここにも確実に進軍している。ここを取るとイジュームへの補給路が完全に途絶えることになる。

この攻略にウ軍のM777榴弾砲とドローンの攻撃が効果を上げている。米国の供与したM777榴弾砲は90門で、そのうち79門が戦場に投入されたという。米国はレンドリース法で迅速にウクライナへ兵器の供与を行えることになり、EU諸国も無制限に軍装備の提供を行うとした。

M777榴弾砲に対して、ロシア軍もZALA特攻ドローンで攻撃しているが、大砲に損傷を与えるというより、砲兵を殺傷することが目的である。しかし、この攻撃は効果を上げているようだ。これしかM777榴弾砲への対抗処置がないようである。ロシアの榴弾砲の射程が短く、届かないからと、精密誘導ミサイルも欠乏して攻撃に使えないようである。

もう1つが、着地点観測のドローン対策として、次世代レーザー兵器を前線に投入して、ウ軍ドローンを迎撃するという。ロシア軍も対応策を模索している。

そして、イジュームに広く展開する21BTG(大隊戦術群)のロシア軍は、攻撃から防御に体制をシフトして、損害を小さくする方向になっている。しかし、イジュームの突出部の部隊は、回り込むウ軍に補給路が絶たれる心配があるが、それでも撤退しない。21BTGの内、今までに7BTGが戦闘能力を失ったようであり、今後も損害が増えることになる。

ウクライナ国内に投入されたのは105BTGであり、東部には60BTGで、その内21BIGがイジュームに投入された。全体の約5分の1、東部の3分の1の兵力であるが、ウ軍の攻撃で動きを止めた。他に東部では、ドネツ川渡河作戦失敗で5BTGが現に全滅している。

ロシア軍は、広域に展開したことで部隊間隔が広すぎて相互に協力ができないために、見捨てるしかない。ロシア軍の失敗は15万の少ない戦力を広範な地域に展開したことだ。手薄な所から徐々に崩されている。

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • まるで日本の学徒出陣。プーチンが少年兵投入まで検討し始めたロシアの惨状
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け